研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
プロトタイプ
非線形顕微鏡を進化させる小型で高性能な超短パルス光波形制御・計測装置
キーワード :  超短パルスレーザー、空間光変調器、波形制御、波形計測、非線形光学、二光子顕微鏡、レーザー加工
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) シーズ育成タイプ
研究開発課題名 超短パルスレーザー応用の先進化が可能で顕微光学系に実装可能な波形制御装置の開発(開発期間:平成29年10月~令和3年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 浜松ホトニクス株式会社 研究者 小西 毅(大阪大学)

空間光変調器を用いた波形制御装置を開発した。非線形光学顕微鏡に適するように、中心波長可変機能を搭載し制御精度・耐光性・収差特性を向上させた上で、底面積約600平方cmに小型化した。波形計測についても、計測可能波長範囲を拡大し計測精度を向上させ、小型の装置を開発した。これらを二光子顕微鏡に実装してフィードバックで波形を制御し、多様なパルス波形の生成や分散補正が、2%以下の高精度で実行できることを確認した。また、狭パルス化や高効率な高密度マルチパルス生成法、帯域別マルチパルス生成法などの、非線形光学イメージングに有用な波形制御技術を開発した。さらに、これらの波形制御を活用する屈折率計測や蛍光退色抑制などの応用技術も研究した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

超短パルスレーザーの市場は年14%で急成長している。また、波形制御を用いた新しい非線形顕微イメージングやレーザー加工が研究されている。本プロジェクトで開発した実用的で高性能な波形制御・計測装置は、そのような研究成果の産業化を促進するだけでなく、新たな技術の開発をも促進することと期待される。

開発者の声

A-STEPの支援を得て、大学と企業が互いに得意とするところを合わせることにより、目標を超える成果を上げ、世界最高レベルの性能の波形制御技術・装置を構築することができた。高性能で使いやすい波形制御システムを製品化し、超短パルス光応用の開拓に貢献することを目指す。


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