
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
製品化/起業
キーワード :
ゼオライト、粉砕・再結晶化、ナノ粒子化技術、粒成長制御
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) NexTEP-Aタイプ
研究開発課題名
ゼオライトナノ粒子の製造方法と粒径制御技術(開発期間:平成28年8月~平成31年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社中村超硬 研究者 脇原 徹(東京大学)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社中村超硬 研究者 脇原 徹(東京大学)
ゼオライトのナノ粒子化技術として、ビーズミルを用いた粉砕技術を確立し、最小50nmまで小径化することに成功。市販されているゼオライトと比較して粒径は100分の1、外表面積は100倍となる。再結晶化による結晶性の回復条件を確立したことで、微細・高結晶性ゼオライトナノ粒子を比較的低コストで製造することができる。可視光波長よりも小さい粒径を活かし、樹脂などに分散した際には透明性を損なうことなく吸着特性などを付与できるため、高機能フィルムや機能性コーティングなどに応用できる。電子デバイス、薬剤、接着剤、二次電池、抗菌ツールなど、様々な分野での活躍に期待できる材料である。
同社では、2022年に本プログラムで確立した技術を基にパイロットプラントを設置、生産体制を整えている。
同社では、2022年に本プログラムで確立した技術を基にパイロットプラントを設置、生産体制を整えている。

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)
ゼオライトの吸着性能を、透明なフィルムに付与することができるため、高価な薬剤や電子部品などを目視確認できる透明包材として期待されている。その他、ナノ粒子化により、コーティング等に混ぜても表面の平滑性を保持できることや、樹脂内の水分を吸着することで、接着剤の硬化反応を良化するなどの効果を得られる。
開発者の声
A-STEPにおいて、機器選定、評価技術の試作試験を効果的に実施することができ、粒径制御技術を確立することに成功した。ただし、得られた粉末はナノ粒子化により嵩高くなり、ハンドリングが難しいという課題も見えた。今後は樹脂ペレットやスラリー分散など応用技術開発を進め、より市場ニーズに沿った形の提供形態への適用を目指す。
●2種類のゼオライトナノ粒子の製造技術を確立~透明吸湿性包材の実現や温感化粧品などへの応用が可能に~[2019年10月]
この成果は、2020年3月20日の工業技術新聞紙面で紹介されました。