研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
プロトタイプ
電子ビームリソグラフィによるサブミクロン解像度の電極印刷用モールド開発
キーワード :  電子ビーム、ローラーモールド、R2Rプロセス、プリンテッド・エレクトロニクス、印刷、ナノインプリント
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ育成タイプ
研究開発課題名 電子ビームリソグラフィを用いた連続ナノパターニング用ローラーモールドの実用化研究 (開発期間:平成26年12月~平成29年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 旭化成株式会社 研究者 松井 真二(兵庫県立大学)

電子ビームとステンシルマスク、精密位置決め回転ステージの課題を解決することで、ローラー用のEBステッパーの開発に成功した。また本装置を用いた露光プロセスも同時に開発を行い、直径100mm、幅250mmのローラーに対して100nmのパターンを形成することに成功した。その際の露光時間は20時間であり、通常のポイントビーム型に対して数千倍のスループットを実証すると共に、本技術の工業化に目処をつけた。また旭化成(株)にて独自に開発した高解像度R2R印刷プロセスと金属インクを組み合わせることで、250nm解像度の電極印刷にも成功した。これらの技術を用いて形成した特殊パターンを有する偽造防止ラベルとや同ラベルにRFIDチップを実装したトレース機能付き偽造防止ラベルの開発にも成功。これらの製品に真贋判定デバイスとブロックチェーンシステムを組み合わせ、2022/10月より偽造防止ソリューション「Akliteia™」の正式サービスを開始した。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

サプライチェーンに対するリスクの一つに年間50兆円と言われる偽造品被害がある。解決のためには流通する個品単位で偽造品混入状況の可視化を行い、サプライチェーン上の関係者と協働で解決にあたる仕組みが必要である。そのための社会インフラとしてデジタルプラットフォーム「Akliteia™」を構築しサービスを開始した。

開発者の声

250mm幅のローラー露光を実現するためには、EBステッパーの材料や計測システムの全てに研究課題があり、一企業で取り組むにはリスクが大きかった。
A-STEP事業で資金面の援助および開発の進め方に関する指導を頂いたことで、一気に実用化にたどり着くことが出来た。また日本の新産業創出に向けた可能性に気づきを与えて頂くことが出来た。
※第16回国際ナノテクノロジー総合展でグリーンナノテクノロジー賞を受賞しました。
●第16回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2017)開催報告

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