研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
機能材料
プロトタイプ
ランタンシリケートを用いた中温作動型SOFCの実用化に向けた研究開発
キーワード :  SOFC、アパタイト、ランタンシリケート、固体電解質、中温作動、イオン伝導、分極抵抗、多層膜、緻密化
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) ハイリスク挑戦タイプ
研究開発課題名 ランタンシリケートを用いた中温作動型SOFCの実用化に向けた研究開発(平成25年12月~平成28年11月)
プロジェクトリーダー所属機関 冨士色素株式会社 研究者 吉岡 秀樹(兵庫県立工業技術センター)

アパタイト型構造のマグネシウムドープランタンシリケート(MDLS)はイオン伝導が高く中温作動型SOFCの電解質として注目されている。本研究では、組成の異なるランタンシリケート系多層膜を一体焼成することによりMDLS電解質膜のイオン伝導度の向上と緻密化を達成した。また、ガドリニウムドープセリア(GDC)を電解質膜と正極の中間層として用いることにより、熱処理時の反応を抑制し電池抵抗の上昇を抑えることができた。本SOFCはスピンコートやスクリーン印刷など安価な印刷手法により作製でき実用化が容易である。
今後は電解質膜の配向を制御しイオン伝導経路を最適な方向に揃えるなどの工夫を行い、さらなるイオン伝導および発電性能の向上を目指す。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

イオン伝導が高いランタンシリケートを電解質として用いることにより、二酸化炭素の排出抑制につながる高効率なSOFCの開発につながる。また、中温作動によるSOFCの用途拡大(可搬型、車載型など)が期待できる。

開発者の声

大学、企業、公設試のアライアンスにより、それぞれの得意とする技術(製造、評価・解析、分析)を有機的に活用することができた。今後もアライアンスを継続・発展させ、新たな環境技術の開発にもつなげていきたい。
この成果は、@pressからプレスリリースとして発表されています。
●GSアライアンス(冨士色素グループ)が 兵庫県立大学、兵庫県立工業技術センターと共同で アパタイト型ランタンシリケート系固体電解質を用いた 固体酸化物型燃料電池を開発[2020年9月]
この成果は、朝日新聞電子版、財経新聞にて紹介されました。
●GSアライアンス(冨士色素グループ)が兵庫県立大学、兵庫県立工業技術センターと共同でアパタイト型ランタンシリケート系固体電解質を用いた固体酸化物型燃料電池を開発
英文プレスリリースも行っています。
●Green Science Alliance has Developed SOFC (Solid Oxide Fuel Cell) with Apatite Type Lanthanum Silicate Based Solid Electrolyte with University of Hyogo and Hyogo Prefectural Institute of Technology


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