研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり
要素技術構築
レーザーを使用した眼鏡プラスチックレンズの自動染色装置開発
キーワード :  メガネレンズ、染色、レーザー
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ顕在化タイプ
研究開発課題名 眼鏡プラスチックレンズのレーザー染色装置の開発と実用化研究(開発期間:平成25年9月〜平成26年8月)
プロジェクトリーダー所属機関 株式会社ニデック 研究者 植田 浩安(静岡県工業技術研究所)

視力矯正用の眼鏡レンズには、サングラスやファッショングラスの様な着色の要望があり、一般にレンズを染色液に浸漬させて染める方法(浸染法)で染色している。この方法では1)色が不安定2)熟練者による色修正が必要3)エネルギー消費大4)廃液による環境問題5)生産コスト大6)高屈折レンズ等の難染色レンズに未対応7)自動化への未対応、など多くの課題があった。今回の研究で、レンズ表面に均一な染料層を塗布できる小型気相転写装置と短時間で局所的に正確に加熱できるレーザー染色装置を搬送機構で一体化し、自動で気相転写とレーザー定着を行うシステムを構築した。本装置を利用することで、眼鏡レンズを短時間(一組のレンズを12分以内)で染色することができ、WET染色(浸染法)よりも色の再現性も高いことが確認できた。更に人件費を1/5以下に抑えることもできる。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

眼鏡レンズの染色は世界中で行われており、以前から誰でも容易に正確に着色できるシステムを求められていた。今回の装置が完成することにより、世界中の眼鏡レンズを染色している工場や店舗への導入が期待される。またこの装置は従来染色できないポリカーボネートレンズの染色もできるため、新たな市場拡大も期待できる。

開発者の声

眼鏡レンズは屈折率毎に各種の素材があり、レンズの度数毎に形状が異なってくる。更に染色する色の種類も非常に多く、そのため条件出しに時間がかかってしまったが、ほぼ対応可能になってきた。特に染色が難しいサングラス色も容易に染色出来るようになってきた。2020年度末には世界初のレーザーを用いた自動眼鏡レンズ染色装置を上市できる目処がついてきた。


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