研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり・産業基盤
要素技術構築
折紙を応用したハニカムコアの新しい製造方法の実証に成功
キーワード :  折紙工学、ハニカムコアパネル、量産化技術
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  シーズ顕在化タイプ/シーズ育成タイプ
研究開発課題名 特殊断面ハニカムコアの連続自動製造システムの開発(開発期間:平成25年9月〜平成26年8月/平成27年12月〜平成29年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 城山工業株式会社 研究者 斉藤 一哉(東京大学)

軽量で高強度、高剛性を実現できるハニカムコア・サンドイッチパネルは航空機・宇宙機から建材、家具までさまざまな工業製品に使われているが、現在の製造方法では平板パネルしか作製できず、曲率を付けたり、テーパーを付けたりする際はコストのかかる2次加工が必要であった。東京大学生産技術研究所の斉藤一哉助教は城山工業株式会社、株式会社フジカケと共同で、「折紙式」とも呼ぶべき新しいハニカムコアの製造方法の実証を行った。これは1枚の紙から折り曲げのみでさまざまな立体形状を作り出す折紙の手法を応用し、周期的なスリット・折線を入れた1枚のシートからハニカムコアを立体化する方法で、展開図のパターンを変えることにより平板だけでなくテーパー形や翼形、曲面パネルなどさまざまな形状のハニカムコアを直接製造できる利点がある。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

本技術が産業化されれば用途や意匠に合わせてさまざまな形状のハニカムコアを1点ずつオンデマンド製作する革新的なデジタル・ファブリケーションシステムの開発が可能となる。これによって形状の異なるさまざまな製品について安価な軽量化手段を提供することができるだけでなく、遮音・吸音、断熱性などハニカムコアの持つさまざまな優れた機能特性を広汎な製品へ利用可能となる。また、折紙式によって「端材ゼロ」で目的の形状を作り出せる点も従来技術にない注目すべき特徴である。製品そのものの軽量化と併せて、資源利用の大幅な効率化が可能となり、持続可能な社会の形成のための大きな武器となる。

開発者の声

近年、折紙に関する論文がサイエンス誌に複数掲載されるなど、折紙の持つ工学的なポテンシャルには世界中から注目が集まっている。日本の研究者は以前から折紙の数理、技術の製造分野への応用に挑んできたものの、具体的な製品開発まで到達できない現状にあった。本研究開発によって折紙式製造技術の工業ベースでの実証に成功したことは大きな意義がある。
27年度からの「シーズ育成タイプ」開発では、量産化〜事業化につながる具体的な工法開発と実用化開発を進めており、折紙とものづくりを融合させたスマート・ジャパン技術の一つとして世界をリードできる技術領域の構築を目指している。


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