研究開発成果
※研究者の所属・肩書および参画企業等記載は課題採択または記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。
ものづくり・産業基盤
要素技術構築
長尺超伝導ケーブルに働く熱応力を1/3以下に低減
キーワード :  超伝導ケーブル、フォーマー、熱収縮、熱応力、座屈、摩擦、ヘリカル変形
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  ハイリスク挑戦タイプ
研究開発課題名 熱収縮自己吸収型超伝導ケーブルの開発(開発期間:平成24年10月〜平成27年3月)
プロジェクトリーダー所属機関 住友電気工業株式会社 研究者 山口 作太郎(中部大学)

高温超伝導ケーブルは常温から液体窒素温度に冷却すると0.3%程度熱収縮する。超伝導ケーブルを形成する複数材料では0.3%収縮は塑性変形が始まるため、そのままではケーブル変形や酷い場合には破断する。
この課題解決のために、断熱2重管内に超伝導ケーブルを仮設置し、少なくとも一方のケーブル端を自由にして冷却を行う。すると、ケーブルは熱収縮で断熱2重管内に引き込まれる。その後、両端を固定して昇温を行うと、ケーブルは伸びるが、両端が固定されているため、ヘリカル状に変形する。つまり、常温時にはケーブルはヘリカル状であり、低温時には直線状になることによって、熱収縮を吸収する。このケーブル布設方法を取ることで、ケーブル冷却時に働く熱応力を大幅に低減できた。

成果説明画像

期待されるインパクト(効果、意義、市場規模、売り上げ予測)

断熱技術の進展と安価な超伝導線材の開発によって、高温超伝導ケーブルは急速に社会で広く利用される可能性が高まっている。この状況下で長尺超伝導ケーブルの大きな課題であった熱収縮問題が解決されたことは、普及を下支えし、低損失と小型化の特性を生かし、効率的な電力輸送を実現する。

開発者の声

ケーブルに働く熱応力は配管との摩擦によって均一ではなく、部分的には大きくなり、破断すらあったと仄聞している。今回の方法はケーブル長手方向各部で熱応力が緩和され、汎用性の高い方法と考えている。今後も長尺ケーブルでデータの蓄積を計り、布設方法の改良を続けたい。


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