採択課題
採択課題

○平成27年度【ステージⅢ】NexTEP-Aタイプ(随時募集)

※NexTEP評価委員会委員は、こちらをご覧ください。
※研究者の所属や企業名等はいずれも採択課題公表時のものです。

NexTEP-Aタイプ 採択課題 (平成28年8月31日発表) 2件

課題名 新技術の
代表研究者
開発実施企業 新技術の内容
ヒートシンク式レーザ溶着による電子デバイス精密接合装置 電気通信大学
産学官連携センター
特任准教授
佐藤 公俊
株式会社
清和光学製作所
本新技術は、電子デバイスなどの精密部品やフラットパネルを樹脂封止するためのレーザ溶着に関するものである。
小型スイッチやマイクロ流路チップシートのような微細構造部品の樹脂封止や、高いシール性とバリア性が必要なフレキシブル有機ELパネルなどの樹脂フィルム接合においては、振動接合や溶剤接着あるいはレーザ吸収剤混入による熱溶着などの手法が従来用いられているが、内部の微細構造の破壊や不純物混入などのため、封止対象となる構造部品や樹脂素材が限定された範囲に留まっている状況である。
本新技術は、赤外線透過放熱体(ヒートシンク)を利用して樹脂部材にて発生した熱を放散して部材表面温度の上昇を防ぎつつ、レーザ光を樹脂部材内部に導いて溶着を実現するものであり、内包精密構造にダメージを与えることなく、また幅広く各種の熱可塑性樹脂を対象材料として、小型電子部品の密封封止やフレキシブルパネルのカバーフィルム接合封止を可能にする。
トリリオンセンサー時代に向けた小型センサーの需要拡大、テーラーメイド医療やマイクロ化学工場などでのマイクロ流路チップの適用拡大、フレキシブルディスプレイ端末の生産量の増大など、さまざまな分野で大きく寄与することが期待される。
Si貫通電極ウェーハ全自動薄化加工装置 国立研究開発法人
産業技術総合研究所
主任研究員
渡辺 直也
株式会社
岡本工作機械製作所
本新技術は、裏面からSiウェーハを研削してCuのSi貫通電極を露出するための、全自動薄化加工装置に関するものである。
チップ積層型3次元集積回路は、半導体回路チップ内に形成した縦方向配線(Si貫通電極) を用いて、半導体回路チップを縦方向に電気的に接続をしながら積層した回路である。Siウェーハ上に、Si貫通電極を含む通常の集積回路を形成した後に裏面から研削して、厚さを10~50μmに薄化し、ウェーハの裏面に、CuのSi貫通電極を露出させる。これによりセンサー、論理回路、メモリー、通信回路など等の多種類・多数の薄化チップを積み重ねて3次元集積回路を構成する。
チップを積層させることにより、大幅な小型化、高速化、低消費電力化が実現できるが、現在はSi貫通電極導入に伴うコストの増加と歩留りの低下が課題となっている。本新技術では、Si/Cu同時研削技術と残留金属低減処理技術に加え、薄化ウェーハの厚みムラの低減など等の性能向上と安定性の改善、及びおよび、一連の工程を統合して全自動化した300mmΦウェーハ全自動薄化加工装置を実現する。
本新技術により、従来のエッチングやCMPを多用した方法に比べて、装置コスト、工程数を低減し、歩留まりを大きく向上できることから、チップ積層型3次元集積回路の普及が期待でき、IoT社会の実現へ貢献すると考えられる。

NexTEP-Aタイプ 採択課題 (平成28年8月4日発表) 1件

課題名 新技術の
代表研究者
開発実施企業 新技術の内容
ゼオライトナノ粒子の製造方法と粒径制御技術 東京大学
大学院工学系研究科
准教授
脇原 徹
株式会社中村超硬 本新技術は、ゼオライトナノ粒子製造技術に関するものである。
ゼオライトは、触媒、イオン交換材、消臭・吸着材など、工業・民生分野のさまざまな用途で利用されており、コスメティック製品や速乾性繊維などに適用分野を広げ、さらに市場を拡大することが見込まれる。これらの製品に添加するためには、ゼオライトをナノサイズまで微細化することが必要となるが、従来はボトムアップ方式でナノ粒子を作製しているため、合成制御が難しく、高価な有機構造規定剤を必要とすることや生産性に乏しいなどの理由から、高価で生産量も少なく、市場への普及には至っていない。
本新技術は、「粉砕・再結晶化法」というトップダウン方式を用いて、安価なマイクロサイズゼオライト原料をナノ粒子化するものであり、吸着能などの優れた特性を維持し、添加する製品の審美性や機能を損なうことなくゼオライトの機能を付与することが可能となる。
本新技術により、吸着能や抗菌性能などを必要としながら審美性や触感により添加が難しかった用途への展開や光学関連部材への応用、適用製品の機能向上などを図ることが可能となり、新たな市場の創生、普及拡大が期待される。
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