
○2019年度【企業主導フェーズ】NexTEP-Bタイプ
※NexTEP評価委員会委員は、こちらをご覧ください。
※研究者の所属や企業名等はいずれも採択課題公表時のものです。
NexTEP-Bタイプ 採択課題1件 (2020年4月2日発表)
課題名 | 新技術の 代表研究者 |
開発実施企業 | 新技術の内容 | ||
マルチウェルでの培養液交換及び非破壊細胞評価を可能とするSMART-Cell-Culture-System |
産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター 研究センター長 夏目 徹 |
株式会社 アイカムス・ラボ |
本開発は小型の自動細胞培養装置に関するものである。 細胞培養の作業はライフサイエンス研究には欠かせないが、作業負担が大きいこと、作業者間のばらつきが出やすいことなどが問題とされてきた。本開発では培養液の自動交換に加えて、電気化学的なセンシング技術、顕微鏡画像を使った細胞評価技術を駆使し、培養中の細胞の状況を評価、監視するシステムの構築を目標としている。 標準的なマルチウェルプレートを利用する設計と、AIを活用する評価システムで汎用性を確保し、長期細胞培養にかかる労力の大幅な軽減と培養細胞の品質安定性向上を期待する。 |
NexTEP-Bタイプ 採択課題2件 (2019年12月3日発表)
課題名 | 新技術の 代表研究者 |
開発実施企業 | 新技術の内容 | ||
ハイサイクル成形用CFRTPシートの量産プラント |
金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 教授・センター長 鵜澤 潔 |
サンコロナ小田 株式会社 |
本開発は、熱可塑性ランダムシートの量産化技術に関するものである。 炭素繊維複合材料(CFRP)は市場に普及しつつあるが、量産可能な成形技術が確立しておらず限定的な利用にとどまっている。その中で、サンコロナ小田株式会社は、金沢工業大学が持つ樹脂反応制御技術と、長年の繊維加工で培った糸加工技術による炭素繊維の開繊、樹脂の含浸、散布・積層技術を合わせ、プレス成形により高速かつ大量生産(1分間のハイサイクル成形)が可能である複雑成形性と高強度を両立した熱可塑性CFRP(CFRTP)ランダムシート「Flexcarbon®」に関する新技術を完成させた。 本量産化開発を成功させることで、将来、ウエアラブルチェアなどの人に寄り添う用途からインフラ・自動車といった用途まで、各種CFRP 製品の幅広い普及に繋げることが期待される。 |
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時間・スピン分解走査マルチプローブ顕微鏡 |
筑波大学 数理物質系 教授 重川 秀実 |
株式会社 ユニソク |
本新技術による装置は、従来の走査プローブ顕微鏡にピコ秒からマイクロ秒の時間分解機能を実現するものである。近年の最先端材料開発では、高い空間分解能を有し、かつデバイス構造を持った試料をも測定できる時間・スピン分解測定技術が必要となっている。代表研究者らはポンプ・プローブ法と走査プローブ顕微鏡を組み合わせた装置において、S/N比の大幅な改善 と測定時間の大幅な短縮を可能にする基本的技術の開発に成功した。 本開発は、株式会社ユニソクにより本新技術を完成させ、商品化するものである。開発する装置は、固体物性、表面科学、薄膜材料などの研究者を潜在顧客としており、これら分野での材料・デバイス開発に大きな貢献が期待される。 |