JSTオープンイノベーションフェアWEST~関西発 大学技術シーズ見本市~

JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

癌転移関連タンパク質CDCP1を標的として抗腫瘍効果を発揮する貴金属錯体

奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 客員教授 矢野重信

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シーズの概要

膜蛋白質 CDCP1は、転移性腫瘍や造血系・非造血系幹細胞の表面抗原足場非依存性や浸潤能を制御する重要分子である。CDCP1-PKCδ経路のシグナル阻害分子は、新たな作用機序による画期的な抗癌剤として期待される。CDCP1-PKCδ経路のシグナルを抑える化合物ライブラリー(約10,000種)のスクリーニングの結果、本研究で開発されたパラジウムおよび白金配糖錯体の二種類のみで抗癌作用が確認された(2/10,000の確率でヒットした)画期的な薬剤である。本開発品に関する特許は、PCT出願を経て、日本では審査中であり、米・仏・独では既に権利化に至っている。

マッチングを想定する業界

製薬・創薬業界

用途利用分野

シスプラチン耐性株にも効果を発揮する抗癌剤
転移性癌を抑え込むための薬剤

事業化および新規産業形成の可能性

本研究のアミノ糖連結の金属錯体化合物は、特に胃癌細胞に対し従来シスプラチンの約2~5倍の極めて高い抗癌活性を示し、さらに高転移性癌の抑制を可能にする新たな薬剤の開発可能性が高まった。

従来技術に対する新規性・優位性

・シズプラチン耐性株に対する顕著な抗癌作用
・高い転移性を有する癌に対する抗癌作用
・従来の合成法と比較して、複雑さがなく、かつ高い収率より、低コストでの生産が可能

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