- ものの色を変える不思議な白色光−分光特性制御による色彩パタン演出−
同志社大学 理工学部 インテリジェント情報工学科 准教授 坂東敏博
シーズの概要
ヒトは照明光の色変化に気づくとそれを考えに入れて物の色を判断する「色恒常性」が働くので、これまで紫外線と蛍光物質を用いるなどの特殊な場合を除き、照明で物体の色変化を実現できなかった。
その中で、我々は、分光分布をコントロールした白色光を照明光として用いることで、色の恒常性の影響を排除し、「ものの色があたかもひとりでに大きく変化した」ように見せることができることを確認した。
この手法は、「ものの色は変わらない」という常識を打ち破り、照明光のコントロール一つで(しかも照明変化を気づかせずに)ものの色や色模様を明瞭に変化させるもので、ものを置き換えることなく様々なシーン転換を可能にする大変応用範囲の広い技術である。
マッチングを想定する業界
照明、印刷、色材、医療、アート、エンターテイメント、モニュメント作成、店舗ディスプレイ、インテリア、建築意匠
用途利用分野
商品ディスプレイでの色彩演出/公共空間・舞台空間の雰囲気転換/医療補助技術/アート・エンターテイメントでの表現手段
事業化および新規産業形成の可能性
分光特性を適切な制御により、対象物からこれまで見えなかった色情報を引き出したり、それを変化させたりすることで、対象物を魅力的に見せたり、対象物の色彩パターンを変化させてその場の雰囲気を照明一つで変化させることのできる新しい多機能白色照明が開発できる。
従来技術に対する新規性・優位性
・色の恒常性の影響で、色光を用いた照明では物体色を変化させられなかった
・本技術の分光分布を適切に制御した白色照明を用いると、照明変化を気づかせることなく明瞭な物体色の変化を実現できる。