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JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

新規なアミド切断反応を用いたプロドラッグ化技術もしくは前駆体物質開発への展開

甲南大学 フロンティアサイエンス研究科(FIRST) 生命化学専攻 特別研究員 濵田芳男

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シーズの概要

新規なアミド切断反応(特許出願済み)を用いたプロドラッグもしくは前駆体物質の産業化を目的とする。本反応は酵素の作用によらず、室温でアミド結合を切断することができる。医薬品への応用としては、難溶性医薬品の可溶化、副作用の低減、生物学的利用能の向上などプロドラッグへの展開が期待できる。また、コスメティック業界、機能性食品への展開としては、化粧品における美白成分などの機能性物質の多くは、皮膚障害などの副作用の可能性がある。本技術により、有効成分の徐放化などで安全な製品の開発が可能になる。さらに、バイオ産業や臨床検査薬業界への展開が期待される。例えば、抗体に結合させた後、これを切断させたり、樹脂に結合させておいた化合物を、室温・生理学的条件下など温和な条件で固相から切り出すことができる。

マッチングを想定する業界

プロドラッグ用途としては製薬産業が第一に考えられる。また、医薬品ではないが、コスメティック業界や健康食品への展開、さらにはバイオ産業や臨床検査業界への展開も期待される。

用途利用分野

①医薬品としてのプロドラッグの開発 ②化粧品や健康食品向けの機能性化合物の開発 ③バイオ産業や臨床検査薬への研究開発用ツール・製造・分析への展開

事業化および新規産業形成の可能性

医薬品としては、すでに難溶性化合物であるフェニトインとサルファ剤のプロドラッグの開発に成功している。これらのプロドラッグは pH 7.4の生理的条件下で数分から数十分の半減期で薬物を放出する。半減期から見て、注射薬もしくは経口剤としての応用が期待される。

従来技術に対する新規性・優位性

従来、酵素を使用せず、室温でアミド結合を切断する方法がなかったため、従来とはまったく違った方法論で医薬品、化粧品、食品、バイオ研究、臨床検査などへの展開ができる。また、親化合物の再生速度が自由に設計できるのも大きな優位点である。

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