JSTオープンイノベーションフェアWEST~関西発 大学技術シーズ見本市~

JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

超微量流体を制御するNano-in-Nano集積化技術を駆使したナノ化学システム

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 准教授 許岩

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シーズの概要

「Nano-in-Nano集積化技術を駆使したナノ化学システム」
ナノ流体デバイスは極微量フェムトリットル(fL =10^−15 L)~アトリットル(aL = 10^−18 L)の流体・液体の操作が可能 であるため、1分子検出による超早期診断法の開発、1分子操作による新しい化学プロセスの創成、1細胞解析による個性を重視した創薬・治療技術の創出、微小エネルギー利用の高効率化などが期待される。しかし、流体制御・化学・バイオ・電気素子のナノ流路内の集積化が大きな課題となっている。本技術シーズであるNano-in-Nano集積化技術(特願2014-101461号)は、流体制御・化学・バイオ・電気などの素子をナノ流路内に集積化することを可能とした技術である。我々はこの技術を用いてナノ流体デバイスに機能性素子を集積化することによるナノ化学システムを創出している。すでに、1兆分の1 mL単位の液体の自在制御や、fL極微量の水流で生じた電流のin situ検出などの成果を達成した。

マッチングを想定する業界

主に、がん・感染症の超早期診断装置、微小センサー開発を目指す医療機器メーカー、環境に配慮したグリーンケミストリーを目指す創薬・ファインケミカル企業が想定される。

用途利用分野

体液流動を利用した体内埋め込み型微小医療機器。積み木するが如く究極の分子設計を実現する化学合成プロセス。分離・精製プロセスを排除したグリーンケミストリー。

事業化および新規産業形成の可能性

細胞の中身、ウイルス等ナノ流路での化学的・電気的信号の変化で、がん・感染症を検出するデバイス技術のニーズは高い。特に超早期診断や、患者の個性を重視した有効性の高い創薬と治療を実現する次世代メディカルデバイス開発は新規事業として有望である。

従来技術に対する新規性・優位性

ガラス製ナノ流体デバイスは、従来高温で接合されていたが、室温での接合を可能にし、さらに、僅かな温度変化で開閉するバルブ機構、超微小探針電極等を超高精度な位置合わせ技術でナノ流体デバイスへ集積化することを実現した。極微量流体の制御が可能になり高精度な検出・分離・精製が可能となった。

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