JSTオープンイノベーションフェアWEST~関西発 大学技術シーズ見本市~

JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

有用化成品をつくる紙「ペーパーリアクター」

大阪大学 産業科学研究所 セルロースナノファイバー材料分野 特任助教 古賀大尚

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シーズの概要

本研究では、触媒を複合化した紙「ペーパーリアクター」を開発し、医薬中間体などの有用化成品を高効率合成することに成功した。紙をフィルターのように使って原料溶液を通すと、内部で触媒と接触し、有用化成品に変換されて出てくる仕組みになっている。本シーズは、①紙への触媒(金属ナノ粒子・有機分子・酵素)複合化技術、および、②紙内部のマイクロ~ナノ細孔構造設計技術からなる。これらの技術を組み合わせてつくったペーパーリアクターは、ガラスや合成高分子ベースの従来リアクターと比べても高い化成品合成効率を達成した。また、使用後は、紙と同じようにリサイクルすることもできるため、持続発展可能な化学産業の実現に貢献できる。

マッチングを想定する業界

・紙パルプ業界
・化学産業全般

用途利用分野

・化成品合成、特定物質の吸着・分離、分析診断

事業化および新規産業形成の可能性

ペーパーリアクターは、木材パルプを用いて紙のように作製でき、しかも従来リアクターと比べても高効率であるため、製紙産業・化学産業に新しい展開をもたらしうる。

従来技術に対する新規性・優位性

・紙と同じように量産でき、リサイクルも可能
・ほとんどの溶媒に安定で、300℃までの高温にも耐えうる
・従来システムと比べて2倍以上高い反応効率を実現

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