つなぐしくみ申請 H19年12月 |
外科手術手技として難易度の高い、実質臓器(肝臓や膵臓)内に埋もれた径3o大の細径管(肝内胆管や主膵管)と管腔臓器(胃や腸)との吻合(縫い合わせ)を、致死的な合併症である吻合部縫合不全(吻合部の破綻)を起こすことなく、実施するための外科用吻合補助器を考案したものである。本補助具を利用することにより、消化器外科領域における極めて高度の手術手技が必要な吻合術を、短時間に、容易に、確実に、安全に実施することを可能にする。
これまでに考案した技術によりイヌを対象として吻合術を執行し、その研究成果に基づいて、より簡素化された新規提案の技術は高い可能性があるという状況であるが、さらに臨床応用に向けて実用化するための課題確認、すなわち、試作器の作製、動物実験による吻合補助器の仕上がり精度と吻合性の確認など基礎的データの集積が十分でない状態であった。そこで、本技術が想定している市場調査、特許調査、ライセンス先企業の探索、および開発支援を希望して「つなぐしくみ」へ申請があった。
「目利きレポート」で本技術に関連した特許調査、市場調査を行い有用性の高いことを示し、実用化を促進するために「つなぐしくみ」で提供するデータ補完費により、実験検証を行った結果、本吻合補助器の実用性、有用性が確認され、臨床応用に大きく踏み出せた。得られた成果については、イノベーションジャパンでの展示・新技術説明会にて発表し、複数の医療機器メーカからの有用な相談があり、実用化に関する対応は一部企業との間で共同研究の準備を進めている。
企業とのマッチングに至り、共同研究の準備を進めている状況にある。
データ補完費により、机上の考えから臨床応用に向けて大いに前進した。大変感謝している。
(作成日:平成22年3月31日)