報告書 > 研究開発課題の個別評価
プレベンチャー事業
平成14年度採択課題事後評価報告書
平成18年3月
科学技術振興審議会技術移転部会プレベンチャー評価委員会
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4.
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研究開発課題の個別評価
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(8)高機能バイオセンシングシステム
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リーダー
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:長崎 幸夫(筑波大学 学際物質科学研究センター 教授)
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サブリーダー
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:高橋 唯仁
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研究開発の概要
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バイオセンサチップや金属・半導体の超微粒子の表面に、ヘテロ2官能性ポリエチレングリコール(PEG)を薄層コーティングする技術を利用し、疾患因子の検出感度や精度を向上させたバイオセンサーチップ、あるいは診断用ナノ粒子の研究開発を行う。医療分野だけでなく、医薬品、機能性食品、化粧品等幅広い分野への応用が期待される。
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2
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事後評価内容
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A)成果
PEGをブラシ状に吸着材の表面に配置させることにより、バイオセンサーチップ、あるいは診断用ナノ粒子の表面処理技術を研究開発し、疾患因子以外の吸着を著しく軽減すると共に、表面に固定化した抗体、核酸等の分子認識能を向上させ、従来の分子認識能に比べて約20倍の検出効率(S/N比)を得た。これらの成果をもとに、有限会社ビーエスティー研究所を設立した。
特許出願数:2件(研究開発終了時点)
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B)評価
計画の達成度
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:実用レベルとしてはまだ不十分なところがあるが、表面処理の方法論としては、その有効性が確立され、目標とする技術は達成されたと考えられる。
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知的財産権
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:基本的なメカニズムに関する特許は適切に出願されている。材料(PEG)に関するものだけでなく、センシングシステム、対象物質を限定したセンシング方法等に関する特許の強化も望まれる。製品化にあたり、出願した特許がどの位他社にたいする排除力があるかが今後の課題である。
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起業化計画
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:計画として大きな流れは捉えているが、実際にどのように活動していくのか具体的な展開策が求められる。開発したセンサーチップの表面処理のみでは単独の事業として成立させるのは難しく、応用分野の開発等、今後とも継続的開発を進めていくために、資金調達や他社との連携策の検討が必要である。
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新産業創出
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:医療診断分野をはじめ、幅広い分野での応用が考えられるが、今後マーケッティングを十分にしてニーズを明確にしていく必要がある。
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総合・その他
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:非常にユニークな技術で、可能性があるシーズの実証ができた段階である。今後事業化を進めていくためには、マーケットニーズに対応した共同研究を関連企業と早急に取り組む等、積極的な他社との連携策推進が期待される。
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