報告書 > 研究開発課題の個別評価
プレベンチャー事業
平成14年度採択課題事後評価報告書
平成18年3月
科学技術振興審議会技術移転部会プレベンチャー評価委員会
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4.
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研究開発課題の個別評価
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(2)超強力永久磁石を応用した医療用加速器の小型化
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リーダー
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:熊田 雅之(放射線医学総合研究所 主任研究員)
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サブリーダー
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:清水 洋
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研究開発の概要
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従来の永久磁石の磁場強度を大幅に上回る加速器用永久磁石を開発し、これを用いて医療用加速器の小型化を目指す。小型で安価な粒子線治療用シンクロトロンシステムとしてガン治療などの医療分野へ大きく貢献するものと期待される。
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2
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事後評価内容
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A)成果
磁束を圧縮する回路を考案して磁場強度を既存の磁気回路の4倍近くまで増強することにより加速器の小型化を可能とした。さらに永久磁石サイクロンの場合に伴う作業困難性・危険性を軽減し、温度変化によって生ずる磁場変化も解決する“双対磁石”を用いた“磁束制御回路(Flux Engine,FE)”を考案・製作するなどの優れた技術を開発した。これらの成果をもとに、条件が整い次第、平成18年度はじめにベンチャー設立予定である。
特許出願数:1件(研究開発終了時点)
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B)評価
計画の達成度
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:独自の磁気回路を考案するなど、永久磁石などの要素技術については一応のレベルに達した。
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知的財産権
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:磁石の構造的な特許は出願されているが、起業し競争力のある会社となるためには更なる知的財産権の造出が必要である。
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起業化計画
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:磁石の性能が達成できたということだけではなかなかビジネスに結び付かない。医療用加速器をつくるためには多額な資金が必要であり、小さな資本金のベンチャーを起業するより、研究成果を持って説得に廻るべきである。開発した技術が医療用加速器に実装されるための今後の活動、そのために必要な資金計画、ビジネスプラン等を詳細に検討する必要がある。
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新産業創出
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:新しい小型で安価なガン治療装置の開発に資する技術として、今後の発展が期待されるほか、磁石は基礎部品として重要であり、他の産業分野への転活用などの可能性もある。
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総合・その他
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:独自の考案による磁気回路によって、従来の永久磁石の磁場強度を大幅に上回る加速器用永久磁石を開発することができ、医療用加速器の小型化が可能となった。本技術を応用展開し、最終目標である小型で安価な粒子線治療用シンクロトロンシステム製品が完成すれば、ガン治療などの医療分野の進歩へ大きく貢献する。早期実現を目指し、システムメーカーと積極的に連携を計ることが必要である。
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