報告書 > 研究開発課題の個別評価
プレベンチャー事業
平成14年度採択課題事後評価報告書
平成18年3月
科学技術振興審議会技術移転部会プレベンチャー評価委員会
|
4.
|
研究開発課題の個別評価
|
(10)トランスポゾンによる網羅的変異マウス作製
|
|
リーダー
|
:竹田 潤二(大阪大学先端科学技術共同研究センター 教授)
|
サブリーダー
|
:牧野 重信
|
1
))
|
研究開発の概要
|
ゲノム上を移動するDNA配列であるトランスポゾンをマウス個体における遺伝子改変へ応用する技術を開発する。従来行われている胚性肝細胞(ES細胞)を利用して、いわゆるノックアウトマウスを作成する方法に替わる技術として期待され、疾患に関連する遺伝子機能解明や創薬のための研究に供する。
|
2
))
|
事後評価内容
|
A)成果
ゲノム上を移動する駆動力になる酵素(トランスポーゼース)はゲノム上のトランスポーゼース認識核酸再配列を探しだし、その配列で囲まれたゲノム断片をゲノム上の他の部位に移動させるので、移動する際に内在性遺伝子の中に挿入され、その機能を破壊することがある。このシステムを世界に先駆けてマウスに応用し、低コストでしかもスピーディーに遺伝子改変マウスを作製する技術の開発に成功した。
トランスポーゼース認識核酸再配列がもともと存在している部位の近傍に効率よく転移して、ドナーサイトの近傍の遺伝子を全て破壊できることも確認されており、マウスで網羅的に遺伝子機能解析をするのに適した技術であることがわかった。
特許出願数:2件(研究開発終了時点)
|
B)評価
計画の達成度
|
:トランスポゾンシステムによる遺伝子改変技術を開発・応用して各種変異マウスを作成する技術を確立した。
|
知的財産権
|
:新たなトランスジェニック・マウス作成方法の特許が出願された。各国移行特許の成立を図るが重要であり、早期の審査への取り組みが期待される。
|
起業化計画
|
:高いレベルの技術開発が出来ているので、特許の成立を図り、顧客や資金調達先を見つけての起業化が期待される。日本に留まらず、欧米の資金を調達するなどのビジネスプランを考慮に入れることも検討する価値がある。
|
新産業創出
|
:他社技術に対する差別化が確認され、また変異マウスバンクのように網羅されたコンテンツまで完成すれば遺伝子に関する新産業が創出されるものと思われる。それには国家的プロジェクト規模の研究投資が必要である。
|
総合・その他
|
:トランスポゾンシステムを世界に先駆けてマウスに応用し、低コストでしかもスピーディーに遺伝子改変マウスを作製する技術の開発に成功した。作成したマウスの表現型の解析、再現性・確度の確認など残された課題の研究を進めると同時に、特許の成立を図り、技術の優位性を国内外に周知して、ベンチャービジネスを立ち上げの機会を探って行くことが期待される。
|
|
|
This
page updated on Apr. 28, 2006
Copyright©2006
Japan Science and Technology
Agency.
www-admin@tokyo.jst.go.jp