1 ) |
モデル化の概要および成果 |
現在主流の微細チャネル構造のバイオチップのほとんどは、その機能の主要部分に、すべて外部からの人為的または機械的操作を必要としている。本モデル化では、チップ一枚に複数の分離と酵素処理機構、内蔵ポンプ、電気回路及び電気的機能を組み込んだ自己完結型バイオケミカルチップというコンセプトの実証を行った。名刺サイズで厚さ2mmのガラス基板上にバイオケミカルチップを試作し、内蔵ポンプの性能やタンパク質の分離と流れシステムの制御法をそれぞれ評価し、ポンプの任意コントロール作動、標準物質として3種類のタンパク質混合液を用いた分離など予想以上の結果を得た。これによりチップ内で自動的に完結する次世代高機能タイプのバイオケミカルチップを開発するための、基本構想であるプラットホーム製作法を確立できた。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
機能内蔵型バイオケミカルチップのモデル化はほぼ達成されたと考える。 |
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知的財産権等の発生
特許出願を予定している。 |
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企業化開発の可能性
ガラス基板の接着方法、インターフェイスの作成、各機能のブロック化等検討事項が解決されれば、企業化の可能性がある。 |
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新産業、新事業創出の期待度
当面研究用途に限定されているだろうが、将来的には医療機関の臨床用やその他の検査用としての発展も考えられる。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
ガラス基板の接着方法、インターフェイスの作成、各機能のブロック化等検討課題は残したが、自己完結型バイオケミカルチップという基本コンセプトの実証はほぼ達成された。当面研究用途に限定されるため市場はそれほど大きくないだろうが、将来的には医療機関の臨床用やその他の検査用としての発展も考えられる。 |