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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 59 (H15−0211)土木情報化に伴う施工日々管理システム

企業名 :株式会社 コイシ
研究者(研究機関名) :打浪 清一(九州工業大学 情報工学部 電子情報工学科 教授) 他1名

1 ) モデル化の概要および成果
 土木ではCALS/ECにのっとり電子納品が主流となっている。そこで、その電子データ(CADデータ)と現場から得られるデータを有効に活用する方法を考案した。まず、電子データから工事計画の3次元データを作成する(平成12年度に本事業で開発した土木測量・施工支援システム)。次に、現場に設置されているビデオ映像から地形データを取得する。それらのデータを重畳表示することで、工事現場の日々管理を実現するシステムを構築する。今回試作したシステムでは、ビデオ画像から地形データを取得する際の精度に問題を残した。しかし、このことからビデオ画像と3Dの複合型システムという新たな着想を得た。これは、ビデオ画像から座標値を取得することなく管理を行うシステムである。今後は、本課題で試作したシステムの管理機能の強化と、複合型システムの開発・統合を行う。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 計画した基本システムのフレームはほぼ完成した。ただし、地形データの取得精度10cmに対し、実績は平均1mであり、一層の精度向上が望まれる。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 実施企業は実用化に向け積極的であるが、種々の問題解決が必要と思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 地形データの取得精度の向上等さらなる発展が達成できれば、新市場の構築も含め期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 土木工事計画の3次元電子データと現場で得られるビデオデータを重ね合わせて工事の進捗状況を日々管理するというコンセプトを実証するシステムを現実に組み立て、その適用性まで試験を行った点は評価できる。今後現実的システムとして仕上げるには、方向付けも含め、精度の向上等技術的検討が必要と考える。

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This page updated on March 25, 2005
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