1 ) |
モデル化の概要および成果 |
グラフト繊維型高速吸着フィルターの製作のために、グラフト重合反応条件およびホウ素・ゲルマニウム吸着官能基導入反応条件を確立し、グラフト繊維を試作した。このグラフト繊維を用いてワインドカートリッジ型のグラフト繊維型高速吸着フィルターを試作した。
ホウ素の除去においては、グラフト繊維型高速吸着フィルター(500 mm 3本)を使用することで、ホウ素濃度150 mg-B/Lを規制値10 mg-B/L以下まで低減させることができた。また、グラフト繊維型高速吸着フィルターは、市販のイオン交換樹脂より高い吸着量をもち、従来の10倍の高流量でもホウ素を吸着できた。
ゲルマニウムの回収においては、グラフト繊維型高速吸着フィルター(500 mm 3本)を使用することにより、1回の透過でゲルマニウムを90%以上回収することができた。
グラフト繊維型高速吸着フィルターは、ホウ素、ゲルマニウムともに3回の吸着・溶出を行っても性能が劣化しないことを確認し、ホウ素については再吸着試験で99%の回収率を得ることができた。
今後は実用化に向けた製造コスト低減と、量産化に向けた大量グラフト重合技術開発に取り組み、環境浄化および有用希少資源回収用フィルターとしての商品化を目指す。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
当初目標を達成している。 |
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知的財産権等の発生
現在まで出願なし。 |
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企業化開発の可能性
コスト面の検討が必要で企業化には期間を要すると思われる。 |
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新産業、新事業創出の期待度
ホウ素除去、ゲルマニウム回収のニーズは高いが、従来技術との差別化がコスト面をカバーできるかに問題が残る。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
技術的には、当初目標通りの結果が得られているが、企業化のためには経済性を考える必要があると思われる。 |