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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 49 (H15−0177)骨粗鬆症、関節炎治療薬の探索に用いる蛍光標識骨基質の開発

企業名 :株式会社 ホクドー
研究者(研究機関名) :村田 勝(北海道医療大学 歯学部 講師) 他2名

1 ) モデル化の概要および成果
 本課題では、生体吸収性アパタイトと蛍光標識コラ−ゲンを複合化した蛍光標識骨基質を開発し、破骨細胞による骨吸収活性を経時的に測定できる系を確立し、薬物投与後、24時間以内に薬物による骨吸収阻害効果を測定できる系を確立することを目標とした。生体吸収性アパタイトと蛍光標識コラ−ゲンを予定どおり完成させたが、両者を複合化し人工骨基質を作製した段階で、破骨細胞形成には、より平滑な表面を持った人工骨基質が必要であることが判明した。この問題に対しては、平滑な面を持つコラーゲン膜を石灰化させることにより、平滑な面を持った人工骨基質を作り上げることにより解決を図った。この石灰化コラーゲン膜上に破骨前駆細胞を培養したところ、十分な量の破骨細胞を形成させることに成功した。石灰化コラーゲン膜上で分化した破骨細胞は、人工骨基質を良く吸収し、典型的な吸収窩(Pit)を掘ることが確認できた。今後、蛍光標識したコラーゲン膜を作製しこの膜を石灰化する方法で早急に商品化を図りたい。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 生体適合性アパタイトの作製、当該アパタイトとコラーゲンとの均質複合材料の作製方法はほぼ確立された様だが、培養時における複合材料からのコラーゲン流出問題が未解決であり蛍光標識を用いた測定技術は未完成である。また、複合材料への破骨細胞の形成技術に課題を残している。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 上記課題等が解決されれば、企業化の可能性はあるものと思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 骨代謝研究のための新しい手段として診断、新薬創出への貢献が期待できるものと思われる。
3 ) 評価のまとめ
 細胞ダイレクトアッセイ法として、破骨細胞の骨破壊量を経時的に計測するための蛍光標識骨基質の開発を目指したが、基質表面の平滑化や蛍光標識コラーゲンの固定化等に課題を残しており、当該課題等の解決に向けた今後の取り組みに期待したい。

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This page updated on March 25, 2005
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