報告書 > 評価結果(2)研究開発課題の個別評価

研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 47 (H15−0162)堤防等の弱点部検出のための3次元S波反射法探査技術の実用化

企業名 :株式会社 キンキ地質センター
研究者(研究機関名) :芦田 譲(京都大学大学院 工学研究科 資源工学専攻 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 防災上重要な社会資本である河川堤防や海岸堤防の内部状況を把握するため、3次元S波反射法探査の実用化に取り組んだ。実用化のためのコンセプトに基づき、96チャンネル仕様のデータ収録装置、ストリーマ型受振装置に合わせた信号ケーブル、S波発震装置を製作するとともに、データ解析のため導入した3次元可視化ソフトを制作した。これらの探査装置を用いて現場試験探査を実施し、探査精度の向上や実用化のため必要とされるコスト縮減について検証した。その結果、探査精度の向上については、96チャンネルの探査仕様や3次元可視化ソフトの導入により、解析精度や異常箇所の検出能力が向上した。また、トータルコストは40%程度まで縮減可能となった。発震装置製作に関連した震源波の品質向上については今後の課題としたい。以上のモデル化により、3次元S波反射法探査手法の実用化に向けた基礎を築くことができた。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 目標のうち、作業効率は3倍に向上し達成されたが、解析作業は2倍程度となり、コストはトータルとして40%まで縮減できたことから、一部を除いてほぼ達成されたと言える。
知的財産権等の発生
 3件の特許出願を予定している。
企業化開発の可能性
 探査手法の実用化モデルは完成しており、今後発震装置の改良による探査精度の向上を図ることにより、企業化開発が可能になると思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 従来の2次元表示から3次元可視化することにより、大幅に需要増加が見込まれ、さらに新規の分野での需要も期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 コスト縮減が目標値に近い値を達成しており、探査精度についても3次元可視化技術および新しい探査手法導入により精度向上が達成されるなど、探査手法実用化の見通しは得られている。今後、発震装置に関連した震源波の品質向上を図ることにより、完成度が高められ事業化が可能になると思われる

一覧に戻る 次へ

目次に戻る


This page updated on March 25, 2005
Copyright©2005 Japan Science and Technology Agency.
www-admin@tokyo.jst.go.jp