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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 37 (H15−0126)医療用短寿命放射性同位元素の生成を目的とした放電型核融合中性子/陽子源の開発

企業名 :パルス電子技術株式会社
研究者(研究機関名) :堀田 栄喜(東京工業大学大学院 総合理工学研究科 教授) 他2名

1 ) モデル化の概要および成果
 放射性薬剤の製造に必要とされる108 個/sの中性子/陽子生成率を持つ放電型核融合中性子/陽子源が開発できた。更に、109 個/sの生成率達成の可能性も出てきた。 医療用短寿命放射性同位元素の生成には従来大型の加速器(サイクロトロンなど)が用いられているが、大型で高価であるため設置できるのは一部の放射線医療機関に限られている。 本モデル化では各医療機関に設置できるような小型で安価な中性子/陽子源の実用化を目指して開発研究を行い、非常に有望な結果を得た。よって潜在需要の大きさなども含め、企業化の可能性は高いと考えられる。 また、本開発の過程においては高圧パルス電源に欠かせない100kV、100Aの高圧半導体スイッチを我が国で初めて完成できた。この成果は今回の放電型核融合中性子/陽子源用としてだけではなく、他のパルスパワー応用技術にも大いに貢献できると考える。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
当初予定の約1/2の電圧、電流領域で目標が達成されており、さらに高い目標値が期待できる。
知的財産権等の発生
 高圧半導体スイッチ、高周波トランスの2件の特許を出願準備中。
企業化開発の可能性
 医療機関に設置できるような小型で安価な陽子源の潜在需要の大きさからみて企業化の可能性は高いと考えられる。
新産業、新事業創出の期待度
 さらに関連技術の開発が要求されるものの、中性子源/陽子源としての用途は多方面に期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 本モデル化で試作した中性子/陽子生成率から、中性子源あるいは陽子源としての用途は放射性薬剤の製造だけでなく、空港などでの爆発物検査や非破壊検査、核変換技術にも使用可能であり、新産業の創出も十分に期待できる。本モデル化での成果をステップとして、今後も多方面での用途研究と実用化研究を進めて欲しい。

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This page updated on March 25, 2005
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