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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 28 (H15−0082)遺伝子改変小動物独立隔離式実験飼育システムの実用化開発

企業名 :株式会社 ダルトン
研究者(研究機関名) :蓬田 健太郎(大阪大学 微生物病研究所 感染動物実験施設 助手) 他2名

1 ) モデル化の概要および成果
 遺伝子改変動物飼育には高規格の実験施設が必要とされ、そのための建設費、維持費は膨大なものとなっている。急激に増加したこれらの実験に即座に対応することは困難であるが、飼育ケージを気密性の高いカプセルとすることで、安全かつ容易に様々な実験が可能となる。
 この場合、なかでもカプセルの気密保持は重要で、強度と作業性を両立させる必要がある。
 本開発では飼育ゲージをカプセル化することで、強度、気密性は確保できたが、作業性に改善すべき課題が残った。また、カプセルによる個別飼育となるために、カプセル内の飼育環境がこれまでの飼育室内環境と比べ、様々な要因に影響され易くなり、さらに、複数のカプセルを同時に一つの環境維持システムで管理するため、カプセル個々に均等な管理が求められる結果、そのバランスを確保するための課題が残った。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 十分な強度と気密性をもつ飼育カプセルと、それを収納する飼育ボックスからなる新システムの試作に努め、評価試験を実施したが、解決すべき課題が若干残った。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 本飼育システム(装置)での使い捨て内ケージの材質や吸排気システム等の課題が克服されれば、企業化の可能性が見えてくる。
新産業、新事業創出の期待度
 今後、本体、周辺部材等が開発され、商品化されれば、飼育実験のこれまでの概念が変わり、当該分野での期待度は大きいと思われる。
3 ) 評価のまとめ
 モデル化企業が、諸般の事情でモデル化終了後の開発研究を断念せざるを得ないことは残念だが、今後外部協力者が中心となって、マウス飼育に必要な給気風量、カプセルの最適形状、サイズ、周辺部材の検討等、残された課題の解決に向けた開発研究を引き継ぐことになった。実用化へ向けた更なる展開を期待する。

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This page updated on March 25, 2005
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