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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 25 (H15−0065)イムノアッセイ法によるシガテラ毒検出法の開発と実証確認

企業名 :株式会社 みなまた環境テクノセンター
研究者(研究機関名) :平間 正博(東北大学大学院 理学研究科 化学専攻 教授) 他4名

1 ) モデル化の概要および成果
 本モデル化では、「天然毒そのものではなく、分子設計・合成した無毒な化合物を基に調製した抗体を用いたイムノアッセイ法で、天然毒を高感度に検出する」を基本コンセプトに、世界最大規模の食中毒であるシガテラ毒の迅速かつ簡便な検出方法の開発を目指した。天然のシガテラ毒の1つであるCTX3Cを認識する抗体を使用したCTX3C-ELISAキットをベースに、検出方法の改良による高感度化を実現し、検体の精製方法の改良により天然サンプルから20数種のシガトキシン類縁体の混合体である天然シガテラ毒をその1種であるCTX3Cとして検出可能であることを実証した。さらに無毒の標準抗原を合成し検査キットの安全性も向上させた。今後、他のシガトキシン類縁体を認識する抗体を用いて、同様の手法でELISAキットの改良を行い検出精度を高め、現行マウス法との整合性のとれた検査キットの製品化を目指す。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 シガテラ毒のうちの一つを鋭敏に検出するキットは、ほぼ完成したが、他の現在のシガテラ毒群の検出はできないなどの問題が残った。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 すべての毒の検出ができれば企業化の可能性がある。
新産業、新事業創出の期待度
 すべての毒の検出ができれば期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 シガテラ毒のうち一つの検出キットは、検体精製法の最適化等課題は残るがほぼ完成し、その安全性も向上させたが、他の毒をも検出できるキットの創出が今後の課題である。

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This page updated on March 25, 2005
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