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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 21 (H15−0054)マイクロチャネル乳化装置の実用化と機能性マイクロスフィア製造技術の確立

企業名 :株式会社 イーピーテック
研究者(研究機関名) :中嶋 光敏(独立行政法人 食品総合研究所 食品工学部 部長)

1 ) モデル化の概要および成果
 3〜90μmの単分散液滴を作製可能なマイクロチャネル(MC)乳化装置の実用化に向けた開発およびMC乳化装置を用いた機能性マイクロスフィアの製造技術の確立を目指した。まず、矩形貫通孔が5〜136万個加工された40mm四方と5インチ径シリコン基板を製作し、かつMCモジュ−ルの多層化を行うことで、液滴生産能力1000g/hrと実用化機としても対応可能な乳化装置を開発できた。また、装置内における液滴となる原料の送液方向の改善および原料の無脈動送液機器の開発により、MC加工部全体において最大で50%以上の貫通孔から液滴が作製されるようになった。さらに、平均粒径15〜40μmでバラツキ5%台と均一な単分散ゼラチンマイクロビーズおよびゼラチン/アカシア系コアセルベートマイクロカプセルの製造を可能とし、天然高分子などの生体適合材料から構成される単分散マイクロビーズ・カプセル製造に関する基礎技術を開発できた。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 大容量マイクロチャネルモジュールの開発には課題を残したものの、原料連続供給システム、乳化液滴サイズ分布等の製造技術については、概ね目標を達成したものと考えられる。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 大容量化に必要な個別要素についてはほぼ実証が終了しており、最適化のための改善が更に進めば実用性のある装置となる可能性がある。
新産業、新事業創出の期待度
 高付加価値・高精度マイクロスフィアは、食品分野・医療分野・化学産業分野に新たな需要を開拓する可能性がある。
3 ) 評価のまとめ
 実用機が目標とする生産量の実証は終了していないが、大容量化に必要な個別要素については確認しており、マイクロチャネルモジュール等の改良が図れれば、実用機としての完成も期待できる。

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This page updated on March 25, 2005
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