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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 17 (H15−0037)細胞及び再生組織の隔離自動培養装置の開発

企業名 :ジーンワールド株式会社
研究者(研究機関名) :高木 睦(大阪大学 生物工学国際交流センター 助教授)            他2名

1 ) モデル化の概要および成果
 本課題は再生医療などで同時に複数の細胞や組織を培養する際に、それぞれの細胞や組織が相互にコンタミネーションや感染を起こすこと無く、省スペースで自動培養できる隔離自動培養装置の開発である。本装置は、温度や雰囲気などが個別に設定可能な複数の培養室、これらの培養に必要な培養液交換や試薬投入を行うポンプ機構、標識された細胞を分離する細胞選別機構、培養プレートを搬送するための搬送機構から構成されており、これらをPCにて連動させるものである。コンタミネーションや感染を防止するために隔離された培養室や、1つの培養プレートの作業が完全に終わるまで他の培養室の開閉ができない方法や、培養液交換や試薬投入など共用スペースには1処理毎にオゾン滅菌で短時間に完全滅菌するなどの安全対策を施している。本開発により基本技術はほぼ達成されたので、今後は自動細胞選別ユニットの完成に向けて開発を進めていく。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 モデル化目標のベースとなる細胞及び再生組織に関する基本技術は、自動細胞選別ユニットを除けばほぼ達成された様に思われる。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 基本技術を更に発展させ、製品化研究と試験機としての信頼性を高めれば、企業化の可能性はあると思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 再生医療分野での利用が図れれば、用途範囲が拡大し、新事業創出の可能性はある。
3 ) 評価のまとめ
 確実に複数の細胞や組織のサンプルを同時に培養する作業を自動化し、作業工程中で大きな懸案事項となった滅菌方法にも解決できる見通しがついた。今後は、自動細胞選別ユニットの完成や自動運転ソフトウェアの検証作業等残された技術的課題の解決に期待したい。

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This page updated on March 25, 2005
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