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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 14 (H15−0022)相反転タンデムロータ型水力発電機の実用化

企業名 :株式会社 電業社機械製作所
研究者(研究機関名) :金元 敏明(九州工業大学 工学部 機械知能工学科 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 従来とは異なり、前後二段のランナ(羽根車・ロータ)と固定子を持たず、内外二重の回転子からなる発電機で構成され、前後のランナが内外回転子をそれぞれ逆方向(相反転)に駆動する全く新しい方式の水力発電機の実用化を目指す。ランナと発電機の連携により最適運転される優れた特徴を生かすことによって、様々な水環境への適用が可能となる。本水力発電機は、大容量水力発電のみならず、地域や都市環境に密着した分散型発電にも幅広く適用できる。
 実用化モデルとして、封水装置・水中軸受を採用した水車装置を設計・製作した。また、設計・製作したモデルランナの性能・キャビテーション特性を把握した。性能結果としては、最高水力効率 89%が得られた。さらに、シリーズ化に対応するため、広範囲の仕様に対する最適なランナ形状の設計指針を確立した。また、実用化に向けて、実河川における実用化試験を実施した。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 試作モデルの性能として、最高水力効率89%が達成されており、シリーズ化対応のための広範囲の仕様に対する設計指針も確立されている。従って、モデル化の目標は達成された。
知的財産権等の発生
 発生なし。
企業化開発の可能性
 設計指針を確立しているので、企業化開発は十分可能と思われる。すでに、実用化試験に着手しており、近い将来製品化の目途が立ち、数年内に企業化は可能と判断される。
新産業、新事業創出の期待度
 大規模な土木工事なしに容易に設置可能な小規模水力発電機のニーズは国内外とも多く、調査、計画から据付、メンテナンスまでの新事業の創出が期待される。
3 ) 評価のまとめ
 目標は達成され、設計指針も確立しているので、次段階の実用化も着実に進むと見られ、早期の事業化が期待される。本水力発電機は環境に優しく(クリーンエネルギー利用)、その取扱い易さと相俟って、小型の分野も含めて、渓流、河川、潮流等にて今後の普及と新事業創出が大いに期待される。

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This page updated on March 25, 2005
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