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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 10 (H14K−0246)3次元ボリューム画像処理ソフトウェアの開発

企業名 :株式会社 デジタル・カルチャー・テクノロジー
研究者(研究機関名) :土井 章男(岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 MRIやCTなどから得られるボリュームデータから病巣・内臓・骨格等を抽出するには経験と長時間(脳では4時間以上)を要していたが、今回のモデル化により、これらをエネルギー最小化原理を用いて自動抽出することで、特別な専門知識を必要とせずに、3次元画像化が可能なソフトウェアの開発に成功した。ボリュームデータから医師の手元のPCで即座に病巣などを3次元画像としてあらゆる角度から視覚的に観察でき、診療のみならずインフォームドコンセントへの貢献も期待できる。主な特徴としては、一般的なPCスペックで動作が可能、利用に専門的な知識を必要としない、鮮明で誤差の少ない3次元抽出画像が出力可能などが挙げられる。さらに、電子カルテでの3次元画像利用やインプラントシミュレーションの分野への適用によって差別化を図ることが可能になる。本モデル化での成果により一般的なパソコンでの動作可能なポリゴン表示が可能となったため、3次元画像を利用した多くの分野への適用が考えられる。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 パフォーマンス、使い勝手、特化機能の一部に課題を残しているが、断面修正、任意断面表示の実装等所期の目的は概ね達成された。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし、今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 マーケティング調査を強化し、ニーズにあった仕様選定により企業化は達成されるものと思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 差別化やマーケティング次第であるが、医療現場等での改善が図れれば、新規事業創出の期待は十分あると思われる。
3 ) 評価のまとめ
 試作されたソフトウェアを更に改良し、同種技術にはない特性を活かし、例えば手術シミュレーションやインプラント適合シミュレーション等へ応用できれば、高度な手術技術の裾野を広げ、3次元画像の利用により手術支援技術として単純なミスを回避することも可能となる。医療現場等のニーズに合った更なる開発努力に期待したい。

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This page updated on March 25, 2005
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