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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 4 (H14K−0102)超小型光チョッパ及び光チョッパを用いたロックインアンプの開発

企業名 :有限会社 ヤマキ
研究者(研究機関名) :興梠 元伸(元 東京工業大学大学院 総合理工学研究科 助手)

1 ) モデル化の概要および成果
 各種分光分析や物理化学計測などでは、光チョッパとロックインアンプによる微弱光計測が行われている。しかし、従来の光チョッパは回転円盤式や電磁開閉式であるため「遅く取扱いにくい大型机上装置」であった。
 本モデル化の目標は、音叉型水晶振動子を用いることで飛躍的に超小型軽量化を図った光チョッパ・モジュールの開発である。前年度は32KHz水晶振動子で光チョッピングする基本的なモジュールを試作した。その成果を基に本年度は、水晶振動子の耐久性向上、効率的なCMOS直列共振水晶発振回路の開発、50KHzまでの高速光チョッピング、光学系の実装精度と再現性向上などを達成し、マイクロプロセッサとμITRONを組込んだ高機能デジタル・ロックインアンプ実現の見通しが得られた。従来の光チョッパに比べ、体積・重量1/50〜1/500、チョッピング周波数10倍以上、消費電力1/100〜1/1000、価格1/2以下、と画期的に超小型軽量・高速省電力な「水晶振動子光チョッパ・モジュール」の試作に成功した。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 デジタル・ロックインアンプのモジュール内蔵は未達成であるが、他目標項目は達成されており、総合的にモデル化の目標はほぼ達成されている。
知的財産権等の発生
 特許2件出願済み。
企業化開発の可能性
 製品品質、特に信頼性の確認が成されれば、企業化の可能性は充分にある。
新産業、新事業創出の期待度
 光技術、バイオ・環境等の計測分野で広い範囲に展開が可能であり、新事業創出の期待度は高い。
3 ) 評価のまとめ
 デジタル・ロックインアンプのモジュール内蔵化を除き、ほぼ目標とする仕様の超小型微弱光検出オンボードモジュール(水晶振動子光チョッパモジュール)を開発することができた。今後、製品としての信頼性の向上等製品化に向けた企業努力によって、光技術、バイオ・環境等の広範な計測分野で、市場性のある新事業創出が大いに期待できる。

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This page updated on March 25, 2005
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