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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 3 (H14K−0089)知能型建設機械の試作

企業名 :システムテクニカル株式会社
研究者(研究機関名) :中野 栄二(東北大学大学院 情報科学研究科 応用情報科学専攻 教授)他1名

1 ) モデル化の概要および成果
 油圧ショベルの、ブームと作業装置(通常右手操作)、アームと旋回またはオフセット(同左手)の4動作を右手だけで操作でき、作業装置の軌跡制御や作業装置に加わる負荷を検知する機能、把持等挟み込み型作業装置に対応した操縦桿を併持した「モノレバー(多機能操縦桿)」を開発した。同時にオペレータに旋回角度を知らせるための高機能旋回センサも開発した。この「モノレバー」の実用性を高めるために下記の改良を行った。
掬い込み型作業装置用と挟み込み型作業装置用の操縦桿、旋回またはオフセットの切り替え利用機構の追加。 作業装置の3次元空間認識ソフトウェアの開発
把持反力による木質、硬質ゴム、コンクリート部材などの識別
旋回センサ単独の商品化を目的とした2分割型装着架台の開発
遠隔操縦を可能とするためのマスタ/スレーブの分離と通信プロトコルの汎用化
操縦支援や複数作業装置の操縦を目的としたシミュレータ機能の高度化

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 期待した成果をほぼ達成している。特に旋回センシングシステムで2次元から3次元空間に利用展開 を図った成果は評価できる。
知的財産権等の発生
 2件の特許出願を予定。
企業化開発の可能性
 基本構造とシステムは技術的に完成領域にあると考えられる。今後は、施工業者との協力等により多様化したニーズに対応した改良を重ね、事業化・市場提供に向けた開発を期待する。
新産業、新事業創出の期待度
 遠隔操縦や熟練が必要な重機の利用は今後も需要が多く様々なニーズが考えられること、分別解体業界でのリサイクル率を高める付加価値が期待できることなど、建設土木業界の経営改善、機械産業・海洋開発等での新規事業創出に期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 平成14年度、平成15年度と継続してモデル化を実施することにより、完成度が高められている。今後も、遠隔操縦型建設機械、解体用破砕機械、道路工事用掘削機械などを中心とした市場展開に向け、更なる開発を期待する。

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This page updated on March 25, 2005
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