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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成15年度実施課題 事後評価報告書



平成17年1月
科学技術振興審議会技術移転部会独創モデル化評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 1 (H14K−0047)高度技能通信を可能とするインテリジェント手形入力システムの試作

企業名 :株式会社 アミテック
研究者(研究機関名) :黒田 知宏(京都大学 医学部附属病院 医療情報部 講師)他2名

1 ) モデル化の概要および成果
 「インテリジェント手形入力システム」は、インターネットを中心とする情報ネットワーク上での「アバター型通信」(手話や熟練技能などの身振り通信)を実現するために必要となる、指や手首の動きを伝えるためのセンサを織り込んだ、手袋型インターフェイスである。
 従来品は米国製のみで、高価(数百万円以上)で精度も低く研究者以外には普及していない。本モデルは全指骨及び全指間の位置を計測する「インダクトコーダ」(計24個/片手) 及び各指の接触を検知する「接触検知コイル」(1+8個/片手) を手袋上に縫製した入力部と、マイコン等による記号化部とで構成される。検出データにより手話会話に必要な手話記号として出力させる。
 出力された手話記号をアバター通信用手話会話エンジンに接続し、CGアバターの動きを見てその手話表現が読みとれるかどうかの試験を実施し、評価を行った。その結果、記号一致率約85%、手話表現(48個)認識率100%の評価を得た。
 コスト的には既存センサに比べ、1/10以下で商品化が可能なことが確認できた。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 本モデル化により、記号一致率約85%、手話表現(48個)認識率100%を実現した。
知的財産権等の発生
 研究者と共同出願を検討中。
企業化開発の可能性
 オイラー角の計測とキャリブレーション技術の開発という製品化への課題が残されているものの、市場化が期待できる。
新産業、新事業創出の期待度
 目標とした30万円台での商品化が可能との見通しから、新事業創出への期待は大きい。
3 ) 評価のまとめ
 従来市場で使用されている技術に比べて、1/10以下の価格での商品化の目処を得たことは高く評価できる。次の目標は商品化を推進することであり、まずそのニーズを把握しなければならない。そのためには広報活動などが重要である。手話支援を待つ人向けの技術・製品開発から、一般人向けのバーチャルリアリティ技術のインターフェイス技術として展開が期待される。今後学会、展示会などを通じて商品化への努力が望まれる。

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This page updated on March 25, 2005
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