JSTトップその他お知らせ一覧へ > 国立大学法人山口大学における研究費の不適正な使用に対する処分の決定

国立大学法人山口大学における研究費の不適正な使用に対する処分の決定

平成22年11月17日

独立行政法人科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報ポータル部)

JSTは、平成22年9月に国立大学法人山口大学(大学)から提出を受けた「公的研究費等の不適切な会計処理に関する調査報告書」等に基づき、その内容を精査するとともに自らの研究費の執行分についても調査した結果、大学に研究委託したJST事業に係る研究費の執行において一部で不適正な経理処理があったほか、直執行による研究費においても一部で不適正な経理処理を確認しました。

このため、JSTは、大学、大学の研究者及び業者に対して、以下の措置を講ずることとしました。

1.不適正な経理処理の内容

調査の結果、大学の研究者6名が、次に掲げるJST事業に参画し、不適正な経理処理に関与していました。

(1)重点地域研究開発推進事業
重点地域研究開発推進事業「シーズ育成試験」(平成18年度より重点地域研究開発プログラム「シーズ発掘試験」に名称変更。)等の委託研究費において、大学の研究者5名が、平成16〜19年度で架空請求と預け金・品転(書類の書き換え)により研究費の不適正な使用を行っていたことを確認しました。不適正な研究費総額は、3,761,375円(間接経費別)でした。
研究者事業名不適正研究費
大学院医学系研究科(医)教授平成17年度・重点地域研究開発推進事業・シーズ育成試験1,850,100 円
大学院理工学研究科(工)教授平成18年度・重点地域研究開発推進プログラム・シーズ発掘試験481,950 円
大学院理工学研究科(工)准教授平成19年度・重点地域研究開発推進プログラム・シーズ発掘試験277,696 円
大学院理工学研究科(工)准教授平成16年度・重点地域研究開発推進事業・FS649,027 円
工学部技術職員平成18年度・重点地域研究開発推進プログラム・シーズ発掘試験502,602 円
小 計3,761,375 円
(注)大学の報告書によると、「預け金」は、そのほとんどが当該年度に残った研究費を翌年度以降の研究費に充てるために架空発注を行い、大学にその代金を支払わせ業者にプールしておき、必要に応じて研究に必要な消耗品や試薬等を納品させていたものでした。また、「品転(書類の書き換え)」は、機器の修理費等に充てるため、業者と架空の取引を行い、消耗品等を購入したように書き換え、その代金を大学に支払わせていたものでした。
(2)戦略的創造研究推進事業(チーム型)
戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究領域「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」の直執行研究費において、大学の共同研究者1名が、平成13〜15年度で架空請求と預け金・品転により不適正な使用を行っていたことを確認しました。研究者は、機器の修理費等に充てるため、業者2社と架空の取引を行い、消耗品等を購入したように書き換え、その代金を機構に支払わせていました。不適正な研究費総額は、3,418,029円でした。
研究者事業名不適正研究費
大学院理工学研究科(工)教授戦略的創造研究推進事業(CREST)
平成13〜15年度・「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究領域の共同研究者
3,418,029 円

2.措置の内容

(1)研究費等の返還
大学及びJSTと直接取引のあった業者に対し、不適正な経理処理により支払われた研究費について、当該研究費、間接経費及び遅延損害金(年5%)の合計金額の返還をそれぞれに求めます。
(2)申請等資格停止
大学の研究者6名に対して、JSTの全事業への申請資格及び新たに共同研究者として参加する資格を平成23年度から4年間停止します。
(3)再発防止策
大学に対して、本件で提示された再発防止策を大学の研究者等へ周知徹底を図るなど再発防止策を完全に実施するよう要請します。
なお、直執行については、既に過年度において改善措置を講じており、今後、国の「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成19年2月15日付文部科学大臣決定)の適用以降の対応として、JST役職員等に対して一層の注意喚起を図るものとします。
(4)その他
本件で措置された上記(2)の応募等の申請制限については、文部科学省が運用する科学研究費補助金などの競争的資金制度でも一部適用される予定です。