採用教員の声

稲葉 丈人 准教授(宮崎大学 農学部 植物生産環境科学科)


  • テニュアトラック教員
    採用年度:平成21年
  • テニュアポスト
    移行年度:平成24年

Q.テニュアトラック教員に応募したのはどのような理由からですか。

 米国留学中にテニュアトラック制度を間近で見て、研究主宰者(PI)として自分が関心のある研究テーマに取り組みたいと思うようになったからです。また、大学院時代には独立准教授が身近にいる環境だったため、遠くない将来、自分自身が研究主宰者になれそうな気がしたことも、私の進路選択に大きな影響を与えたと思います。

Q.テニュアトラック教員の魅力は何ですか。

 資金面や研究環境面で、国や大学から大きな支援が得られることです。また、自立した研究活動ができるため、年齢にかかわらず、世界の研究者が「研究主宰者」としての自分の名前を認知してくれることも大きな魅力です。

Q.その結果、どのような成果・効果がありましたか。

 前任地での任期付きPIの期間も含めた7年間に、20編以上の論文・著書を発表することができました。また、米国やヨーロッパの学会で招待講演をさせていただく機会を得ました。このような自立した研究活動が評価され、中間審査を経て平成24年4月から農学部のテニュア准教授に採用されました。研究室を一緒に立ち上げた同僚たちは、テニュアトラック研究員やテニュアトラック教員、あるいは民間企業の研究職などに就職し、得られた研究成果がメンバーのキャリアパス形成にもうまく結びつきました。

Q.テニュアポストに移行後はどのようなお気持ちですか。

 テニュアポストは研究面での優位性・利点が強調されがちですが、実際に研究室を運営するには研究以外の様々な能力が必要であり、そうした能力を若いうちに身につけることができるのも大きな魅力の一つです。優れた制度に自分自身が育ててもらったということに感謝すると同時に、今後は次世代の育成にも力を注ぎたいと思っています。

杉本 宜昭 准教授(大阪大学 大学院工学研究科)


  • テニュアトラック教員
    採用年度:平成19年
  • テニュアポスト
    移行年度:平成23年

Q.テニュアトラック教員に応募したのはどのような理由からですか。

 私は顕微鏡装置の開発を専門としていますので、自分自身で研究を行うためにはそれなりの予算を必要とします。テニュアトラックに採用されると、毎年十分な予算のサポートを受けられるので、研究に集中できそうだと思いました。また、テニュアトラックに採用される前は特任助手でしたが、テニュアトラックのポジションが特任講師だったので迷わず応募しました。

Q.テニュアトラック教員の魅力は何ですか。

 自分自身で研究を行うことを前提として、十分な予算をつけてもらえましたので、テニュアトラック中は自身の研究を発展させることができました。また、テニュア教員になるための審査が、客観的であり透明性が高いことも魅力的です。テニュアトラックの運営委員のみならず、国内外を問わず同じ専門の人によるレビューなどを通して審査されますので、自分自身のがんばりが結果に直結する可能性が高いと思います。

Q.その結果、どのような成果・効果がありましたか。

 走査型プローブ顕微鏡を用いた原子分子技術を大幅に発展させ、研究を深めることができました。新しい原子操作手法に関する論文をScience誌へ掲載するなどの研究業績を上げ、その結果、国際的な賞であるファインマン賞などの受賞に結びつきました。

Q.テニュアポスト移行後に必要な知見や力は得られましたか。

 大学で講義をする能力や、予算を獲得する力が得られたと思います。テニュアトラックの期間で、講義を持たせて頂いたので、それがよいトレーニングとなりました。テニュアポストの准教授となってから、いくつか講義を持っていますが、スムーズに教育活動が行えていると思います。また、テニュアポストの審査のために、日本語や英語による中間審査・最終審査を経てきましたので、プレゼンテーション能力が鍛えられたと思います。その結果、最先端・次世代研究開発支援プログラムにも採択されるなど、予算を獲得する能力が育成されたと思います。

高橋 由紀子 准教授(長岡技術科学大学 環境建設系)


  • テニュアトラック教員
    採用年度:平成19年
  • テニュアポスト
    移行年度:平成24年

Q.テニュアトラック教員に応募したのはどのような理由からですか。

 以前はポスドクでしたので、アカデミックポストへの応募が第一ですが、長岡技術科学大学が掲げていた産学融合研究に強い興味がありました。テニュア制度自体、応募時はさほど意識していませんでしたが、独立した環境で産学融合研究ができる点に魅力を感じました。

Q.テニュアトラック教員の魅力は何ですか。

 独立した研究室、研究の遂行に十分な資金やスペース、実験補助等の支援、学内業務や授業の免除、メンター教員による研究設備や研究室運営のサポート、学内の知財や産学連携課等からの共同研究のサポートや成果発信等、周辺環境が充実していたこと、とても有り難く思います。

Q.テニュアトラック教員期間の研究環境はどのようなものでしたか。

 子供2人を連れて着任し、期間中に第3子を出産、テニュア期間がちょうど子育ての大変な時期と重なりましたが、半年の育児休暇や時間短縮勤務等の制度や多くの方々の支援により、無事切り抜けることができました。特に研究室発足時は学生も少なく、また、私も時間がありませんでしたので、ポスドクもしくは実験補助のマンパワーにはとても助けられました。おかげさまで、新たな研究課題にチャレンジし、成果を得て、共同研究を行い、結果的に自分の研究領域を確立することができました。

濱田 剛 准教授(長崎大学 先端計算研究センター)


  • テニュアトラック教員
    採用年度:平成19年
  • テニュアポスト
    移行年度:平成22年

Q.テニュアトラック教員に応募したのはどのような理由からですか。

 最大の魅力は、独立した研究室を持ち、自由な研究課題に取り組めたこと、テニュア取得条件が明確だったことです。研究スペース及び経済的・人的に大きな支援を得ました。スタートアップ資金と毎年の研究費が支給され、研究設備の提供や事務的な支援を頂きました。そして何といっても、明確なテニュア取得条件とそれをクリアできれば確実にテニュアポストにつけるという分かりやすい人事が約束されていたことが、応募の最大の理由でした。

Q.テニュアトラック教員の魅力は何ですか。

 研究資金や研究スペースなどの経済的・物理的支援はもちろんですが、大学が一丸となってテニュアトラック普及・定着事業に本気で取り組んでおり、学長をはじめとする理事・本部事務の真摯な姿勢に感動しました。テニュアトラック助教が頻繁に集まれるように交流会を定期的に開催してもらい、研究の進め方などについて情報交換ができました。交流会では学長・理事も参加し、アドバイスや励ましの言葉をたくさんもらいました。担当理事には自分の研究室まで頻繁に足を運んでもらい、顔と顔を向き合わせた1対1のコミュニケーションがありました。研究の進み具合や今後の方針、日々の生活での悩みなどの相談にのってもらった記憶があります。そのおかげで、毎日の研究に対する強いモチベーションを持ち続けることができたのではないかと思います。独立した研究環境でしたが、それでも決して一人で頑張っているわけではないという意識を共有できたこと、それが長崎大学におけるテニュアトラック事業の最大の魅力でした。

Q.その結果、どのような成果・効果がありましたか。

 おかげさまで、平成21年11月にスーパーコンピュータの世界では最も権威のあるゴードン・ベル賞を頂くことができました。当時は事業仕分けで国家プロジェクトのスーパーコンピュータ開発のあり方が大きく報道されていましたが、決して一点豪華主義ではなく、多種多様な研究の芽を育むことを重視する文部科学省の支援のおかげで、翌年(平成22年11月)もまたゴードン・ベル賞を2年連続受賞することができました。
 また、テニュアトラック期間終了後はテニュアを無事に取得できただけではなく、日本学術振興会の最先端・次世代研究開発支援プログラムにも採択頂き、充分な研究予算でテニュアトラック時代からの研究を引き続き発展させることができました。おかげで、平成23年にはスーパーコンピュータの世界省エネルギーランキングGreen500において世界第3位の成績を収めることができ、そして国内では2位を大きく引き離しての第1位を獲得することができました。

文部科学省 科学技術振興機構