事業概要

なぜテニュアトラック制の普及を進めているのですか?

課題

優れた研究成果を上げた研究者の多くは、若い時期に、その成果の基礎となる研究を行っています。
ノーベル賞受賞のきっかけとなった論文の多くは、30代に発表されたものです。

図:ノーベル賞(化学賞、物理学賞、生理学・医学賞)受賞者の業績を上げた年齢の分布(1987〜2006)
ノーベル賞(化学賞、物理学賞、生理学・医学賞)受賞者の業績を上げた年齢の分布(1987〜2006)

しかし、我が国の若手研究者の多くは研究員や助教等の立場にあり、自立して活躍できる環境が十分に整備されていないことが指摘されています。
また近年、大学や独法研究機関の基盤的経費及び総人件費の削減等が進められた影響などにより、若手研究 者の割合が減少する傾向もあって、若手研究者は将来展望を描きにくくなっていることも指摘されています。

このため、優れた研究者を国内外から確保して養成するためには、自立して研究できる環境を与えることや、キャリアパスを見通すことができるように、任期終了後のポストを確保しておく仕組みが求められます。


文部科学省の取組

文部科学省では、平成18年度から、研究者が若い時期に自立して研究できる環境を整備することを目的に、アメリカ等で定着しているテニュアトラック制を大学等へ導入するモデル事業※を進めてきました。この結果、平成22年度までに40 大学等がテニュアトラック制を導入し、各大学では様々な形のテニュアトラック制の試みが行われました。

平成23年からは、モデル事業の成果等を踏まえて、9頁に紹介する「テニュアトラック普及・定着事業」を開始し、補助対象となるテニュアトラック制の要件を新しく定めています。

第4 期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)においても、以下のような数値目標が定められています。

第4期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)

国は、テニュアトラック制の普及、定着を進める大学への支援を充実する。これにより、各大学が、その目的や特性に応じて、テニュアトラック制の導入を進めることにより、テニュアトラック制の教員の割合を、全大学の自然科学系の若手新規採用教員総数の3 割相当とすることを目指す。


テニュアトラック普及・定着事業について

目的

 若手研究者が自立して研究できる環境の整備を促進するため、テニュアトラック制を実施する大学等を支援することにより、テニュアトラック制度の普及・定着を図る。


事業内容

A 機関選抜型
●支援内容:テニュアトラック教員の採用、1・2年度目の研究費を補助(人件費には充当不可)
●支援対象:大学、独法研究機関等
B 個人選抜型
●支援対象:「A 機関選抜型」で選定された機関が採用したテニュアトラック教員の中から選抜した、特に優れた者
●支援内容:研究費や人件費に充当できる費用を上乗せして補助
●支援期間:5年間

実施体制の例

実施体制の例

※平成23年度より旧科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進」を本事業に統合

文部科学省 科学技術振興機構