統合型材料開発システムによるマテリアル革命

最終更新日:2018年12月10日

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
課題「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」研究開発課題 一覧

研究開発課題名 概要 研究責任者 参画機関(予定)
先端的構造材料・プロセスに対応した逆問題MI基盤の構築 これまで研究を推進してきたマテリアルズインテグレーション(MI)の成果に基づき、欲しい性能から材料・プロセスを最適化するための逆問題MI基盤を構築する。情報工学との融合で逆問題に対応し、MIの適用例を、耐熱金属粉末プロセス、炭素繊維強化プラスチック、超耐熱セラミックス複合材料などの先進的な材料・プロセスへと拡大する。逆問題MI基盤を中核とした拠点を形成、新しい産学官連携の研究スタイルを確立する。 出村 雅彦
(国立研究開発法人 物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門 副部門長)
株式会社IHI、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、国立大学法人大阪大学、学校法人片柳学園 東京工科大学、川崎重工業株式会社、学校法人関西大学、国立大学法人岐阜大学、国立大学法人九州大学、学校法人慶應義塾、株式会社神戸製鋼所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、JFEスチール株式会社、昭和電工株式会社、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構、株式会社SUBARU、学校法人帝京大学、国立大学法人東京大学、国立大学法人東北大学、学校法人東洋大学、東レ株式会社、トーホーテック株式会社、国立大学法人名古屋大学、日産自動車株式会社、日立金属株式会社、公立大学法人兵庫県立大学、国立研究開発法人物質・材料研究機構、三菱重工業株式会社、株式会社UACJ、国立研究開発法人理化学研究所
多機能CFRPの開発による高付加価値化 力学特性向上に加えて難燃性、高熱伝導性、制振性など、次世代の航空機や自動車などで要求される機能性付与のため、プリプレグへの機能性粒子やポリマーの配合により、1つ以上の機能性ドメインを有するCFRPを設計する。このため、CFRP構造やプリプレグ、樹脂組成設計について基礎的な力学および機能特性データを取得し、力学・機能特性データベース構築およびMIによる設計手法を確立する。 吉岡 健一
(東レ株式会社 複合材料研究所 所長)
学校法人金沢工業大学、国立大学法人京都大学、国立大学法人東北大学、国立大学法人東北大学、東レ株式会社、公立大学法人兵庫県立大学、国立研究開発法人物質・材料研究機構
AI援用積層最適化によるCFRP設計・製造自動化技術の開発 最新鋭航空機の製造において、CFRPの高速・高自由度積層を目指した自動積層装置導入が進みつつある。そのため、設備投資余力の大きい国が国際競争力を持つ状況となっている。自動積層を前提にCFRPに関する日本の強さを生かし、材料、製造法に関わる欠点をマテリアルズインテグレーションにより克服し、製品の設計、構造様式、さらに製品そのものを変革することで日本の航空産業競争力を強化する。 阿部 俊夫
(中菱エンジニアリング株式会社 研究試験部 主査)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、公立大学法人大阪府立大学、国立大学法人九州大学、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、国立大学法人神戸大学、中菱エンジニアリング株式会社、国立大学法人東京大学、国立大学法人名古屋大学、国立大学法人北海道大学、三菱重工業株式会社
薄層材自動積層によるCFRPの3D高自由度設計技術の開発 炭素繊維を薄く開繊した薄層材を用いて、従来は一定だった幅・層厚さを可変させることにより、3次元の一体複雑形状を持つ製品に対して、繊維の途切れや隙間のない自動積層を可能とする高自由度CFRPの最適設計技術を開発する。マルチスケールシミュレーションを活用して、モデルベースで最適設計しCFRPの真の能力を発揮させる。これにより既存の製品のさらなる軽量/低コスト化と製造技術の向上を通じて航空産業のみならず自動車なども含めた日本全体の産業競争力の強化につながる。 内山 重和
(株式会社SUBARU 航空宇宙カンパニー 技術開発センター 固定翼機設計部 固定翼機設計課 課長)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、株式会社SUBARU、国立大学法人東京大学、国立大学法人東京農工大学、学校法人東京理科大学、福井県工業技術センター
Ni基合金の3D積層造形プロセスの開発 Ni基合金の3D積層造形プロセスは、部品形状・材料物性に革新をもたらす先端プロセスであり、航空・発電用ガスタービン向け燃焼バーナーなどへの適用が期待されている。しかしながら、本プロセスが要求する複雑多岐に渡るパラメーターの最適化が非常に難しいのが現状である。本研究では、3D積層造形プロセスMIにより見いだされる新規Ni基合金をフィジカル空間にて製造実証することを通じ、燃焼バーナーの高耐久化を目指す。 井頭 賢一郎
(川崎重工業株式会社  技術開発本部 技術研究所 材料研究部 部長)
国立大学法人大阪大学、川崎重工業株式会社、国立研究開発法人物質・材料研究機構
高性能化のためのNi粉末鍛造プロセスの開発 民間用航空機エンジンのディスク材には、溶解プロセスによる高強度Ni基鍛造材が用いられてきたが、燃焼温度向上に対応し使用環境が厳しい高圧タービンディスクには粉末を原料としたNi基ディスク材が適用されており、今後も適用拡大が進む見込みである。本開発は、優れた国産技術を活用し従来の欧米プロセスと同等以上の機械的性質が得られる低コストな新規プロセスを開発するとともに国産化を可能とする。 今野 晋也
(三菱日立パワーシステムズ株式会社 ターボマシナリ本部 AM技術推進室 主幹技師)
国立大学法人東北大学、国立研究開発法人物質・材料研究機構、国立大学法人北海道大学、株式会社本田技術研究所、三菱重工航空エンジン株式会社、三菱日立パワーシステムズ株式会社
Ti合金の粉末・3D積層造形プロセスの開発 本研究では、AMプロセスにおける国内サプライチェーンである各機関と協同で粉末製造、粉末特性評価、積層造形性評価、造形部材特性評価を行い、上流から下流まで一貫したAMプロセスの競争力向上を狙う。特に、造形プロセスにおけるリコーティングシミュレーション技術(MI技術)の確立は、積層造形に用いるTi合金粉末の評価手法・指針の構築につながり、粉末~造形プロセスを通した画一的な評価が可能となる。 高橋 聰
(株式会社IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 技術開発センター 材料技術部 部長)
株式会社IHI、株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ、国立大学法人東北大学、日本積層造形株式会社
高性能TiAl基合金動翼の粉末造形プロセス開発と基盤技術構築 需要が急増しているTiAl製低圧タービン動翼を設計の自由度が高い粉末プロセスにより開発することを目標に、材料工学と情報工学の融合により、その開発に資するMI基盤の構築(順問題)と検証(逆問題)を産学連携にて実施する。大学が設計し、企業側が製造する無二の「カスタマイズ粉末」をMIMとAMに同時に適用し、MI基盤の逆問題への適用と検証はMIMにて行い、それらの知見を将来の産業力強化に生かす。 竹山 雅夫
(国立大学法人 東京工業大学 物質理工学院 教授)
国立大学法人大阪大学、大阪冶金興業株式会社、株式会社神戸製鋼所、国立大学法人東京工業大学、三菱重工航空エンジン株式会社
セラミックス基複合材料の航空機エンジン部材化技術の開発 セラミックス基複合材料(CMC)は軽量・耐熱材料として、航空機エンジンでの利用が期待されるが、部材使用にはその特徴を的確に捉えた、信頼性確保が急務である。本研究では、信頼性確保の重要課題をプロセス・組織・特性に分類し、理論・シミュレーション・実試験の融合での解決を目指す。得られた知見を統合し、重要な性能に関してCMCの実使用環境での振る舞いを模擬する「バーチャルテスト」を構築し、CMC部材開発の信頼性確保を実現する。 七丈 直弘
(東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 教授)
株式会社IHI、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、学校法人片柳学園 東京工科大学、川崎重工業株式会社、国立大学法人東京大学、三菱重工航空エンジン株式会社