■「HINOCA」では、吸気、燃料噴射、混合気形成、放電点火、火炎伝播、熱損失、排気といった、4サイクルエンジンのエンジン燃焼サイクルの一連の現象の解析が、可能になりました

「HINOCA(火神)」とは

「HINOCA」は、SIP「革新的燃焼技術」の制御チーム(研究責任者:東京大学 金子 成彦)とガソリン燃焼チーム(研究責任者:慶應義塾大学 飯田 訓正)の連携で研究開発されている、自動車エンジンの3次元燃焼解析ソフトウェアです。

自動車のガソリンエンジンの燃焼過程は、1秒間に何十回も火が着いたり消えたりしながら、化学反応による爆発力がピストンに作用し、大きな動力を生み出すという、極めて高速・複雑なものです。そのため、この燃焼過程をシミュレートするには、バルブやピストンが高速で往復動するエンジンシリンダ内部の流動を計算するプラットフォームに加え、燃料の噴霧モデル、点火モデル、火炎伝播モデル、冷却損失モデル、反応モデル、さらに、乱流モデルや熱伝達モデルなど、挙げきれないほどの数多くのモデルを開発し統合しなくてはなりません。

SIP「革新的燃焼技術」では、オールジャパンの研究者が参画し、燃焼科学、流体科学、数値解析など多様な分野の科学技術力を結集することによって、先進的な技術を組込んだエンジン燃焼解析ソフトウェアであるHINOCAの研究開発を行っています。

HINOCAによって、計算時間が大幅に短縮され、より高精度に、また、高度な燃焼を解析することができるようになります。さらに、企業では製品開発に、アカデミアでは研究開発に活用できるという産学双方にとって魅力的であるとともに、SIP終了後も、最新の知見を入れ込んで成長できるソフトウェアとなるように設計されています。

なお、「HINOCA」という名称は、「火神」にちなみJST担当者によって命名されました。

モデル開発統括
早稲田大学 草鹿 仁
吸気・筒内流動・排気
宇宙航空研究開発機構(JAXA)溝渕 泰寛
早稲田大学 山田 健人

HINOCAの骨格部分となるコアソフトは、制御チームのJAXAによって開発されています。
これに、制御チームおよびガソリン燃焼チームに参画する各大学によって創出されるサブモデルが搭載されていきます。
これまで1週間かかっていたメッシュ作成が瞬時に、流体計算が3倍、また化学反応計算が100倍の速度で処理できるコアソフトの開発に成功しました。
現在、さらなる機能向上の開発を進めています。

↓
燃料噴射と混合気形成
海上・港湾・航空技術研究所 高木 正英
北海道大学 小橋 好充
早稲田大学 周 蓓霓
点火
神戸大学 堀 司
火炎伝播
早稲田大学 草鹿 仁、神長 隆史、喜久里 陽
冷却損失
広島大学 尾形 陽一

*掲載内容は、2016年10月時点のもので、現在、さらなる進展に向けて研究開発中です。