イノベーションシステム整備事業

先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム

Creation of Innovation Centers for
Advanced Interdisciplinary Research Areas Program

研究開発

大学等と企業が、計画段階から対等の立場で連携し、将来的に我が国の経済・産業の国際競争力の強化に
寄与するような成果をもたらすことを明確に意識した研究開発を実施する。

平成20年度採択
 公立大学法人 横浜市立大学 『翻訳後修飾プロテオミクス医療研究拠点の形成』
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~kyotenpr/

1
拠点基盤技術の開発、バイオマーカーの開発

翻訳後修飾異常と疾患の関係を分析できる質量分析装置を中心とした先端的技術の開発を行い、これを基盤としてがん、精神疾患、免疫疾患等の患者検体を用いて、疾患に伴って発現が変動する蛋白質を大規模かつ網羅的に解析し、バイオマーカー、創薬標的蛋白質の探索を進めている。
社会的価値:がん、生活習慣病などの注目度の高い疾患の診断法や治療法の開発に繋がる可能性が大きい。
経済的価値:分析技術、機器の販売、分析の事業化。従来の1/10〜1/50の時間と労力によって創薬標的、バイオマーカーを実用化できる可能性が高い。
予想市場規模/予想達成時期:23.4億円/実施期間終了後10年後
これまでの成果: プロジェクト前半で拠点の基盤技術を整備した。血漿蛋白質3,000種を検出・同定する技術、リン酸化ペプチド濃縮と質量分析装置のスキャニング法の改良によるリン酸化蛋白質2,000種以上、リン酸化部位4,000〜6,000部位を検出・同定できる技術、さらに、新規の翻訳後修飾ペプチド解離法(電子捕獲解離法と水素原子移動解離法)、アフィニティー電気泳動を応用したリン酸化蛋白質のモニタリング技術などを開発した。GPIアンカー付加、アセチル化、グリコシル化、ミリストイル化、メチル化、ユビキチン化などの翻訳後修飾の大規模解析も可能になった。これらの技術を利用して翻訳後修飾異常蛋白質の検出・同定、機能や疾患との関係を究明する研究が進んでいる
協働機関:㈱メディカル・プロテオスコープ、東ソー㈱、積水メディカル㈱


2
がん、精神疾患、免疫疾患診断薬、治療薬の開発

患者検体、モデル細胞等で同定された翻訳後修飾異常蛋白質と疾患との関連や蛋白質の機能を解析すると共に、バイオマーカー、創薬標的分子としての有用性を評価・検証する研究、ならびに疾患関連蛋白質の異常を標的とした薬物探索に関する研究を行っている。
社会的価値:がん、精神神経疾患などの注目度の高い疾患の診断法や治療法の開発に繋がる可能性が大きい。
経済的価値:従来の1/10〜1/50の時間と労力によって創薬標的、バイオマーカーを実用化できる可能性が高い。新薬を開発できる。特許を取ることにより経済的価値を付加することができる。
予想市場規模/予想達成時期:3,036億円/実施期間終了後10年後
これまでの成果:開発された基盤技術を用いて、がん、精神神経疾患等に関わる翻訳後修飾異常蛋白質を検出・同定した。また、検出された蛋白質と疾患との関わりを検証し、診断に利用できるバイオマーカー候補蛋白質を見いだした。さらに創薬の標的となる可能性が高い多数の蛋白質を同定した。一方、前立腺がん、HIV、難治性の精神疾患、関節リウマチ、ハンチントン舞踏病や髄芽腫関連蛋白質を標的にした薬物のスクリーニングで重要な成果が得られた。
協働機関:富士フイルム㈱、 エーザイ㈱、 富山化学工業㈱、 ㈱セルフリーサイエンス


3
機能性食品、化粧品の開発

内臓脂肪の低減効果があるラクトフェリンなどの機能性食品の作用メカニズムをプロテオーム解析技術によって解明する研究を行っている。また、皮膚や全身の健康状態に関連した新規バイオマーカーを探索し、皮膚診断技術や高精度カウンセリング等への応用を目指した研究も進めている。
社会的価値: 健康増進に役立つ機能性製品の創出に繋がる。
経済的価値:特許取得によって経済的価値の高い機能性製品を販売できる。
予想市場規模/予想達成時期:20億円/実施期間終了後10年後
これまでの成果:内臓脂肪の低減効果のあるラクトフェリンなどの機能性食品の作用機構をプロテオーム解析手法を用いて解析した。これまでの検討から、脂肪分解経路であるcAMP経路の活性化に関与する重要な蛋白質の発現をラクトフェリンが制御することなどが明らかになった。また、コラーゲン摂取後に血中に出現するペプチド類を解析の結果、特定のペプチドが生理活性を示す可能性が示唆されている。
協働機関:ライオン㈱、 ㈱ファンケル