イノベーションシステム整備事業

先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム

Creation of Innovation Centers for
Advanced Interdisciplinary Research Areas Program

研究開発

大学等と企業が、計画段階から対等の立場で連携し、将来的に我が国の経済・産業の国際競争力の強化に
寄与するような成果をもたらすことを明確に意識した研究開発を実施する。

平成18年度採択
 国立大学法人 東京大学 『ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点』
http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp

1
量子ドットレーザの技術開発とそのイノベーション展開

通信用量子ドットレーザの高出力・高速化・高性能化に向けて研究開発を進めている。通信以外の水平展開として、材料加工用固体レーザ励起光源、200℃超高温動作センシング用光源、第2高調波(SHG)技術と組み合わせた高出力・高速変調緑色、黄緑、橙色レーザなどの可視半導体レーザ、さらにはLSIチップ間光配線用レーザの研究開発も推進している。
社会的価値:量子ドットレーザは温度安定性に優れ、低コスト化も図れることから、通信インフラ投資に対する競争力と低消費電力化による環境適合性をもたらす。
経済的価値:安価なGaAs基板と民生用製造ラインやEMSの活用などにより、新たなビジネスモデル構築もあり、現行の量子井戸レーザ市場も代替する可能性を持つ。
予想市場規模/予想達成時期:約1,000億円(世界)/実施期間終了後3年後
これまでの成果:通信用途では、20-70℃まで温度安定な25Gbpsの最高変調速度、センシング用途では220℃までの高温動作、及び100mW超の高出力・高速の緑レーザをはじめ、可視レーザモジュールの小型化(0.5cc)を実現。
協働機関:㈱富士通研究所、㈱QDレーザ


量子ドットレーザー

2
高速・低消費電力化を実現する有機CMOS回路

現在の半導体の中心であるシリコンに比べ、有機半導体はフレキシブル、安価など、利点が多いものの、市場拡大には、低速・高電圧駆動を克服する必要がある。有機回路のCMOS化を実現するため、基盤技術から積み重ねてきた。
社会的価値:有機回路はフレキシブル、安価だが、性能も優れるようになると、ディスプレーなどの駆動回路含め、オール有機半導体化が進み、生活環境に溶け込んだ製品形態が出現してくる。
経済的価値:今日の半導体の発展がシリコンCMOSに負うように、CMOS化によって有機回路も高速・低消費電力化が可能となり、あらゆる分野に浸透するとともに新市場を創出する。
予想市場規模/予想達成時期:約2兆円(世界)/実施期間終了後5年後
これまでの成果:移動度を高めたn型C60、p型ペンタセンの有機TFTで、5段CMOSリング発振器を構成、RFIDタグ実現に十分な200kHzを超える世界最高の遮断周波数を得た。C60の安価な溶液製法も開発した。
協働機関:シャープ㈱、日本電気㈱


有機CMOS回路

3
高効率量子ドット太陽電池基盤技術開発

量子ドット太陽電池は高効率変換が期待され、その中間バンド型に着目して、原理的な可能性から探求し、新材料・ナノ構造・機能性など基盤技術から系統的に研究開発を進めている。
社会的価値:変換効率一定以上の高効率になることにより、現在のコスト競争に終止符を打ち、携帯機器やオフィス機器、自動車に搭載されるようになり、パラダイムシフトを実現できる。
経済的価値:新たな価値とコスト競争力を生み出し、太陽光発電市場の裾野を広げることになる。
予想市場規模/予想達成時期:約1兆円(世界)/実施期間終了後15年後
これまでの成果:量子ドット太陽電池の基本から検討。従来、最高と思われてきた理論限界効率63%を塗り替える75%理論を得た。試作では量子ドット型で最高の18.7%を達成、フレキシブル性も初めて実現し劣化がないことを示した。
協働機関:シャープ㈱


量子ドット太陽電池

4
通信波長帯単一光子型量子暗号通信技術の開発

競合企業間の壁を乗り越えるオープンイノベーションを進め、NICT((独)情報通信研究機構)との連携も行い、世界トップレベルの性能を有する1.5µm帯単一光子による量子暗号鍵配付技術の研究開発を行っている。
社会的価値:疑似的単一光子方式に比べ、本方式ではシステム構成と安全性解析を大幅に簡素化でき、量子暗号通信の実用化・普及に突破口を開く。
経済的価値:通信への安全・信頼性が絶対的になることによる経済効果が大きい。
予想市場規模/予想達成時期:約400億円(世界)/実施期間終了後5年後
これまでの成果:盗聴の要因となる多光子発生率が古典光比1/500に抑制された、世界最高純度の1.5μm帯単一光子生成を実現。超伝導検出器と併せた量子暗号システムを新開発し、従来比2倍となる100km超での量子鍵配付試験に成功した。
協働機関:日本電気㈱、㈱日立製作所、㈱富士通研究所


通信波長帯単一光子型量子暗号鍵配付技術