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分科会グループD:テーマ【研究向上・リーダーシップ育成】

座長 : 田中 真美(東北大学教授)

参加機関

東北大学、帝京大学、琉球大学、東京医科大学、千葉大学、愛媛大学、武庫川女子大学、東京女子大学、熊本大学、京都大学、岐阜大学、大阪府立大学、筑波大学、福島県立医科大学、岩手大学、芝浦工業大学、九州大学

シンポジウム分科会発表
  • 特に多かったのは外部資金獲得や英語論文の書き方、英語プレゼンテーション、集いということで、女性研究者が集まる機会をふやし、リーダーシップ育成のためには何を目標とするかということを考える機会を与えるということが大事。
  • 外部資金獲得も非常にいいということで、特に外部資金獲得フォローアップ制度をつくっているところもある。東京医科大学に関してはこの制度に関して女子枠があり、九州大学に関しては学内の競争的資金に女子枠を設けている。
  • 科研費では、やはり大型のものに対して、女性の採択率が低いのか、申請率が低いのか、そちらは両方の問題があるかと思うが、大型のものに当たっているというような結果が出ているということがわかっている。
  • エンカレッジするための賞をつくっているところが何件かあり、メンター制度、外部資金獲得に関しては外部資金獲得のためのフォローアップ制度をつくっている。
  • 交流座談会、集い、サロンと、集まる機会の提供が非常に重要ではないかと思う。そこからメンターが出て、自然とメンター制度が発生したというグループもあれば、共同研究もでき上がってきたというところもあり、能力をアップするものである。
発表資料
グループ分科会発表
東北大学
  • 杜の都ジャンプアップ事業は「自立し、共生し、未来を育み、サイエンスを拓く杜の都女性研究者のリーダーを育成する」ということをうたっている。ミッションステートメントとしては、リーダーとする研究プロジェクトや業績数、教員が増えるだろうということと、それのためにどういうことをしていくかというようなことをミッションステートメントとしていた。この事業を行うに当たり、世界トップクラス研究リーダー養成プログラム、新ネットワーク創成プログラム、研究スタイル確立支援プログラムという三つのプログラムを行った。
  • メンター制というものも非常に有効で、沢柳フェローということで、全学の女性教授の方でやっていただけるという方に、メンターとしてフェローになっていただく。
  • スキルアップ支援として、海外渡航費を申請した者に対して審査をし、支援をして、その後、シンポジウムなどで発表していただくというようなシステム。
帝京大学:
  • ジャーナルクラブという名称でトップジャーナルのcritical appraisalを始め、学会発表の仕方、論文の指導、二重投稿の取り扱い、小保方論文を読んだり、若手に関心を持たせるようないろいろな取組をしている。そういった催しを定期的に行うことで、女性センターのほうに自然に若手が集まってくるようになり、それをきっかけに共同研究が発生したりして非常にいい場を提供できているかと思っている。
琉球大学:
  • 女性教員や大学院学生を対象に、国際的に活躍できる英語力やプレゼンテーション力を身につけるためのスキルアップセミナーを開催している(定員に余裕があれば、学部学生や男性も受け入れている)。
  • 研究成果発表のための英文校閲費用や国際学会派遣費用の補助事業を行っている。
  • 琉球大学に進学する理系女子学生を増やすために、高校生だけではなく、小中学生までに対象を広げた出前講義(サイエンスプロジェクト)を実施し、理系進路選択のための意識啓発活動を行っている。
東京医科大学
  • 科研費に応募する人数が少なかったので、応募する人数をふやすためにということで女性に出してもらい、とれなかった人の中から審査を受けて、大学の資金から1年間研究するためのお金をフォローする。
  • キャリアサポートする会社にお願いして、後輩をうまく育てるためのセミナー、自分のキャリアを考えるためのセミナーを実施した。
千葉大学:
  • スキルアップセミナーは年3回以上行うことを目標に、英語論文の書き方、英語プレゼンテーション、研究資金の獲得などのセミナーを実施している。また、スキルアップ支援として国際学会参加経費支援と英文校閲の経費支援を行っている。そのほかにもメンター制度や研究支援要員の配置などについては大学の自主経費で行っているが、これは、研究力向上には役立っていると思うが、直接リーダーシップ育成につながっているのかというのはまだ検証はできていない。
武庫川女子大学:
  • 非常に好評だったのはアメリカ分校を利用した海外の女性研究者との交流だが、今回の補助金では渡航費などは一切出ないため、その辺が課題になっている。
東京女子大学:
  • 研究支援制度が非常にうまくいっており、特に支援する側に全て大学院生を配置することができて、特に大学院生にとっても研究力向上につながっている面がありました。
京都大学:
  • 京都大学の研究成果を海外発信する英文季刊誌“Research Activities”を2011年度から刊行しており、毎号、分野や男女に関係なく全学の研究を取り上げている。この冊子は、京都大学と海外の大学との国際シンポジウム開催時や、学術交流協定の締結時などに、相手国の大学関係者、政府関係者に配られる。そうした冊子において女性研究者の成果をなるべく優先的に掲載し、京都大学の女性研究者を知ってもらう取り組みをしている。また、2014年度の第一号は女性研究者特集とした。