資料4

開発課題名「SOI X線イメージ装置の活用・普及促進」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 開発成果の活用・普及促進

開発実施期間 平成24年10月〜平成27年3月

チームリーダー :  新井 康夫 【大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 教授】
中核機関 :  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
T.課題の概要
 【装置】本プログラム「要素技術タイプ」において開発した Silicon-On-lnsulator (SOI、絶縁膜上に形成した単結晶シリコンを基盤とした半導体)技術を用いたX線イメージング検出器とデータ収集システムを組み合わせたプロトタイプ機を開放(共同利用)する。
 【内容】SOI検出器は、高精細・高速・高感度といった特徴を持っており、従来の検出器との互換性が高く、画素毎にCMOS集積回路を搭載できることから、実際に使用したユーザーから様々な要望を聞くことにより、さらに新たな測定手法を開拓できる可能性がある。本装置の活用により、X線回折やX線異物検査、医療といった多くの分野の研究者・企業への普及が期待される。
U.評価項目
(1)共用装置の活用状況
 年間稼働日数・時間は、2.5年間の累計で95日、647時間であり 当初目標を達成した。利用件数については、内部利用は12件と目標を達成したが、外部利用は11件に留まっており目標に対しては未達であった。
(2)成果発表
 チームの成果発表は、学会発表18件、論文発表7件、プレス発表1件であり、目標を上回る件数であった。一方、共用先との成果発表は、学会発表3件、論文発表0件、プレス発表0件となっており、目標にはやや届かない件数であった。
(3)その他の成果
 要素技術タイプで開発したセンサアレイとADCのさらなる高度化を進め、毎秒60フレームのイメージングが可能となった。
V.評 価
 本課題は、要素技術タイプで開発したSOI X線イメージ装置の活用・普及促進(共用)を行うことを主目的とし、あわせて装置自身の高度化も行うものである。
 本装置の性能高度化については確実に目標を達成し、本装置を用いた共用についても、年間稼動日数・時間、利用件数、成果発表件数などの目標は概ね達成されているが、共用の結果として新たな共同研究が開始されるなど具体的成果が得られるまでには至らなかった。今後も本装置の普及促進に努めるとともに、本装置の特徴を生かしたキラーアプリケーションの開拓に努力することを期待したい。
 本課題は、当初の開発目標をほぼ達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。