資料4

開発課題名「超音波速度変化を利用した内臓脂肪診断装置の開発」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 機器開発タイプ

開発実施期間 平成24年10月〜平成27年3月

チームリーダー :  堀中 博道【大阪府立大学大学院 工学研究科 教授】
サブリーダー :  川口 康【(株)アドバンテスト 新企画商品開発室 プロジェクトリーダー】
中核機関 :  大阪府立大学
参画機関 :  (株)アドバンテスト、大阪市立大学
T.開発の概要
 超音波速度の温度変化を利用するという全く新しい原理を用いた非侵襲内臓脂肪分布測定診断装置を開発する。現行の超音波画像装置を利用・改良して、リアルタイムで速度変化を検出し、肝臓の脂肪分布を画像化して、その脂肪量を定量化できる装置を目指す。本装置は短時間で非侵襲かつ、安価に複数回実施可能な検査法であることから、実地臨床だけでなく、健康診断にも利用可能で、生活習慣病の早期発見・予防・治療判定に役立つことが期待される。
U.開発項目
(1)プロトタイプ機の開発
 @画像表示時間
 深さ 最大で10 cm、フレームレート 最大で10 fpsまで画像化可能なシステムを実現し、最終目標を達成した。
 A加温プローブの最適化
 5 cm深さでも加温効果が得られる2 MHzリニアアレイプローブを開発し、最終目標を達成した。更に深部を加温する為、1 MHzプローブの開発にも取り組んでいる。
 Bボードの最適化
 加温専用ボードを開発し5 cm深さで0.5 ℃程度の加温効果を得ることができた。
しかし、パルサーICの変更等によりボードの最適化に時間を要し、開発期間内にボードでのデータ処理を実現するまでには至らなかった。
 C測定深度
 2 MHzプローブと組み合わせることで、深さ 最大10 cmまでのリアルタイム画像化を実現し、最終目標を達成した。
V.評 価
 非侵襲で脂肪肝等の超音波速度イメージング観測とともに、内蔵脂肪含有率の定量ができる超音波診断装置を開発する課題である。開発はほぼ順調に進捗し、ポータブル型超音波画像診断装置の開発に一定の目処を付け、国内外の特許出願も済ませている。
 今後は、単機能POC診断機器としての市場展開や既存超音波診断装置へのオプション装着、先行する超音波診断装置メーカーとの連携も視野に入れた開発を推進することを期待する。
 本開発は当初の開発目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。