チームリーダー : |
拝師 智之【(株)エム・アール・テクノロジー 代表取締役】 |
サブリーダー : |
久恒 辰博【東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授】 |
中核機関 : |
(株)エム・アール・テクノロジー |
参画機関 : |
東京大学、筑波大学
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- T.開発の概要
- 国内技術で実現できる高磁場マウス用MRIの一般化を目指す。既設NMR装置の超伝導磁石で随時MRI化できるMRIユニット(分光器、勾配磁場コイル、RFコイル他)を開発する。そのため、勾配コイルに発生する強大なローレンツ力に対抗できる立体的コイルを銅材から形成する。既設NMR装置の静磁場均一度の限界をMRI評価し、生体マウスの撮像評価による利用を目指す。
- U.開発項目
- (1)超高磁場MRI対応高周波ユニットの撮像機能評価
- 200 MHzおよび600 MHzで生体マウスの撮像に成功し、ナローボア磁石では面内50 μm、ワイドボア磁石では面内100 μmの空間分解能をそれぞれ達成した。さらに、生体マウスの超高速EPI撮像やfMRIデータ取得にも成功した。
- (2)超高磁場MRI対応の三次元形状勾配磁場コイルの試作
- ナロ−ボア磁石に対しては、銅柱を三次元的に切削加工する方法で勾配磁場コイルを開発し、20 mT/m/Aの勾配磁場発生効率を達成した。また、ワイドボア磁石に対しては、銅板を二次元的に切削加工した後に円弧に湾曲させることで勾配磁場コイルを開発し、勾配磁場の発生効率として10 mT/m/Aを達成した。
- V.評 価
- 本課題は、高額な装置価格などのために国内で十分に普及していないマウス用MRI機器の現状を打破することを目指し、広く普及しているNMR用磁石に取り付けるだけでマウス用MRIの機能を実現できるMRIユニット及びそのコントローラの開発を目的としている。二種類(ナローボアとワイドボア)のNMR用磁石に対応するそれぞれのMRI用勾配磁場コイルとそれを用いたMRIユニットを開発し、最終目標に掲げた撮像性能を確認した。それに加えて、アクティブシールド型勾配磁場コイルの開発、腹臥位での撮像を可能にする新形状勾配磁場コイルの開発、生体マウスの超高速EPI像やfMRIデータの取得などにも成功し、技術と応用の両面で当初の目標を大きく超える成果を出しており、実用化へ向けた次のステップに大いに期待する。
本開発は当初の開発目標を達成し、それを上回る特筆すべき成果が得られたと評価する[S]。
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