チームリーダー : |
百生 敦【東北大学 大学院多元物質科学研究所 教授】 |
中核機関 : |
東北大学 |
参画機関 : |
(株)リガク
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- T.課題の概要
- 【装置】
本プログラム「機器開発タイプ」において開発した位相撮像装置を開放(共同利用)する。本装置は、X線Talbot-Lau干渉計による弱吸収物体の高感度観察が可能である。
【内容】
医療応用以外の非破壊検査分野への展開を推進する。工場の生産ラインにおけるオンライン検査や、新規な材料やデバイスの開発を目的とした実験室における精密検査の用途を想定している。各企業からのユーザーが適度なタイミングで試用を繰り返すことができる環境を整備し、本原理による独自の装置開発をサポートするための技術指導も併せて行う。
- U.評価項目
- (1)共用装置の活用状況
- 共用稼働日数は、累計305日であり、最終目標を上まわった。
年間利用度は、内部利用が累計232日、17件と最終目標を上まわったが、外部利用が累計83日、19件であり最終目標に達しなかった。
- (2)成果発表
- チームの成果発表は、学会発表65件、論文発表19件、プレス発表2件であり、最終目標を大きく上まわった。共用先の成果発表は、学会発表19件、論文発表2件であり、最終目標を達成した。
- (3)その他の成果
- 共用を通じて 非破壊検査目的に活用する際の技術課題が明確になり、それをクリアする為 先端計測事業 機器開発タイプにて開発を推進する事になった。また、共用開始当初に本技術の国際ワークショップ(XNPIG)を立ち上げ、定期的に開催し、当該分野の発展に貢献している。
- V.評 価
- 本課題は、要素技術および機器開発プログラムで開発したX線透過格子使用X線Talbot-Lau干渉計を医用画像診断以外への普及・促進を図ったものである。
外部共用日数の最終目標は達成されていないが、共用件数の最終目標は十二分に達成しており、多くの成果発表を行ったことは高く評価される。また多くの民間企業と共用することで、本手法の適用条件が明らかになり、その条件を緩和する方法も分かってきた。この成果を生かして、非破壊検査機器開発の新たな機器開発課題を産学連携で発足させている。
また、この新分野を世界的に発展させる国際ワークショップを定期的に開催する国際グループを組織するなど世界的な普及促進活動にも実績を挙げた。
本課題は当初の目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。
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