資料4

開発課題名「疾患診断用全自動糖鎖解析装置の活用・普及促進」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 開発成果の活用・普及促進

開発実施期間 平成23年11月〜平成26年3月

チームリーダー :  西村 紳一郎【北海道大学 大学院先端生命科学研究院 教授】
中核機関 :  北海道大学
参画機関 :  昭和大学、弘前大学、岡山大学、サイエンス・テクノロジー・システムズ(株)、医化学創薬(株)
T.課題の概要
 【装置】
 本プログラム「機器開発タイプ」において開発した疾患診断用全自動糖鎖解析装置を開放(共同利用)する。この装置は、生体物質からの一連の糖鎖解析の操作を全自動で行うことが可能である。
【内容】
 糖鎖の簡便な分析を可能にする全自動糖鎖プロファイル解析システムを開放(共用)することにより、従来とは全く性質の異なる臨床検査値として糖鎖プロファイル情報が予後診断などに活用され、個の医療(テーラーメイド医療)の普及・浸透に寄与するほか、糖鎖構造の網羅的解析が可能となることで、ポストゲノム研究の進展にも貢献が期待される。
U.評価項目
(1)共用装置の活用状況
 共用稼働日数は、累計311日であり、最終目標を達成した。
 年間利用度は、”内部利用”が累計193日で最終目標を上まわったが、”外部利用”が累計138日で最終目標に達しなかった。
(2)成果発表
 チームの成果発表は、学会発表12件、論文発表10件であり、最終目標を上回った。また、共用先の成果発表は、学会発表8件、論文発表4件であり、最終目標を達成した。
V.評 価
 本課題は、臨床応用のための糖鎖分析用前処理装置を開発してきた機器開発(西村チーム)、プロトタイプ実証・実用化(濱田チーム)、ソフトウェア開発(西村チーム)の成果の普及・促進を図り、そのための疾病関連糖鎖プロファイルデータベースを充実させるものである。  外部共用日数は最終目標を達成していないものの、それらを補う内部利用日数を達成している。学会発表、論文発表は最終目標を達成し、医学専門誌への論文発表が増えつつある。
 また、医学部への装置納入が進み、臨床応用データのデータバリデーションも実施し、糖鎖プロファイルによる疾患判定のデファクトスタンダードへの道に前進している。
 一方、一般生物学への応用も興味深い。今後は、委託分析会社等と協力して、この方面への普及も望まれる。  本開発は当初の目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。