資料4

開発課題名「超高磁場NMRを活かすマウス用MRIユニットの開発」

(平成24年度採択:一般領域 要素技術タイプ)

チームリーダー :  拝師 智之【株式会社エム・アール・テクノロジー 代表取締役】
サブリーダー :  久恒 辰博【東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授】
中核機関 :  株式会社エム・アール・テクノロジー
参画機関 :  東京大学、筑波大学
T.開発の概要
 国内技術で実現できる高磁場マウス用MRIの一般化を目指す。既設NMR装置の超伝導磁石で随時MRI化できるMRIユニット(MRIコンソール、勾配磁場コイル、RFコイル他)を開発する。そのため、勾配磁場コイルに発生する強大なローレンツ力に対抗できる立体的コイルを銅材から形成する。既設NMR装置の静磁場均一度の限界をMRI評価し、生体マウスの撮像評価による利用を目指す。
U.中間評価における評価項目
(1)超高磁場MRI対応高周波ユニットの基本機能評価完了
 200 MHzおよび600 MHz用磁石での基準画像取得(測定対象:ファントム)については目標を達成した。さらに、200 MHzでは生体マウスを用いた撮像に成功し、600 MHzでは生体マウスのfunctional MRI画像取得にも成功した。
(2)超高磁場MRI対応勾配磁場コイルのプロトタイプ完成
 (2-1)ナローボア対応:内径23 mmφの勾配磁場コイルを製作し、磁場効率40 mT/m/A(3軸とも)の性能を達成した。
 (2-2) ワイドボア対応:内径49 mmφの勾配磁場コイルを製作し、磁場効率 8 mT/m/A以上(3軸とも)の性能を達成した
V.評 価
 本課題は、世の中に広く普及している高分解能NMR用のマグネットを活用し、小型MRIプローブをマグネット内に装着するだけで生体マウスのMRIを計測できることを目指すものであり、そのためのMRIコンソール、勾配磁場コイル、RFコイルの開発を行っている。中間評価時点での達成目標は基準画像(ファントム画像)を得ることであり、生体マウスの画像取得は最終目標であったが、現時点で生体マウスの画像取得もできている。さらに、600 MHzでは生体マウスのfMRI画像の取得にも成功しており、開発はきわめて順調に進行している。今後は、特許戦略と事業戦略を明確にすることを念頭に置きつつ、開発を積極的に推進すべきである。[S]


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