チームリーダー : |
久嶋 浩之【浜松ホトニクス(株) 電子管事業部 グループ長】 |
サブリーダー : |
相原 博昭【東京大学 大学院理学系研究科 教授】 |
中核機関 : |
浜松ホトニクス(株) |
参画機関 : |
東京大学 |
- T.開発の概要
- 本事業「機器開発タイプ」において、半導体素子を内蔵した13インチ径光検出器(13インチHPD)および8インチ径の光検出器(8インチHPD)を開発した。本開発では、金属フランジを用いない構造の8インチ真空容器に半導体素子を配置した安価な構造で、アンプ、電源、回路を内蔵した8インチHPDモジュールを開発する。これにより、基礎研究のみならず広く産業に活用される光検出器を可能とする。
- U.事後評価における評価項目
- (1)8インチHPD開発
- 電圧を定格10kVとして、金属フランジを用いない安価な構造であることを目指して開発を行った。金属フランジを用いない安価な構造を達成し、圧力試験において0.6〜0.7MPaと0.9MPa以上を確認した。なお、主要部品点数では今までの10点から6点に減少させることができ、低価格化に繋がった。高い電圧を印加するほど波高分解能、時間分解能は改善されるが、定格電圧8kV時においても目標波高分解能40%以下に対して実績として20%、目標時間分解能1ns以下に対して実績として0.62nsを得、目標を達成した。
- (2)8インチHPDモジュールの開発
- ユーザーの使い易さを考慮し、プリアンプと高圧電源回路を内蔵したアナログタイプモジュールとプリアンプ、高圧電源回路、信号処理回路を内蔵したデジタルタイプモジュールの2つを開発した。アナログタイプモジュールでは、目標波高分解能40%以下に対して実績として24%、目標時間分解能1ns以下に対して実績として0.398nsを得、また、水中での動作確認もでき、目標を達成した。デジタルタイプモジュールでは、目標波高分解能40%以下に対して実績として30%、目標時間分解能1ns以下に対して実績として0.93nsを得、また、水中での動作確認もでき、目標を達成した。
- V.評 価
- 本プログラム「機器開発タイプ」(半導体素子増幅による光検出器の開発)を基礎技術にして、8インチHPDおよびモジュールを開発し、波高分解能40%以下、時間分解能1ns以下という目標をクリアした(波高分解能20%、時間分解能0.62nsを達成)。また、モジュールとしてアナログ、デジタルの両タイプとも目標とした波長分解能、時間分解能を達成しており、高く評価される。本開発は当初の開発目標を達成し、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。
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