資料4

開発課題名「トモグラフィー電子顕微鏡用ソフトウェアの開発」

(平成20年度採択:要素技術プログラム【一般領域】)

チームリーダー : 森 博太郎【大阪大学超高圧電子顕微鏡センター 特任教授】
中核機関 : 大阪大学
参画機関 :  (株)国際バイオインフォマティクス研究所
大阪大学(情報科学)
大阪工業大学
T.開発の概要
 電子顕微鏡トモグラフィーが生命科学や材料工学の研究分野で活用されているが、これを医療や工業分野で汎用化するため、トモグラフィー専用電子顕微鏡に搭載する立体ナノ構造の可視化ソフトウェアを開発し、立体組織の高速可視化を目指す。
U.中間評価における評価項目
(1)Cntyの開発
 AB(アクティブバルーン)法とCnty(輪郭抽出アルゴリズム)を比較検討した結果、当初計画した並列に開発して統合する方法は得策でないことが判明した。両アルゴリズムを総合的に比較してCntyを採用した。要求分析は36ページ作成した。基本仕様書は11ページ、詳細仕様書は15ページ作成し、90%達成した。輪郭抽出速度は外縁で約0.6秒、内縁で約1.3秒(512×512ピクセル画面)まで可能にした。
(2)Rinzoの開発
 電子顕微鏡によって取得されたシリーズ画像から立体像を表示するための統合システム「Rinzo」の要求分析を進めている。RinzoにはCntyを輪郭抽出アルゴリズムとして組み込む予定である。要件定義は着手できていない。
V.評 価
 トモグラフィー電子顕微鏡により取得された画像から立体像を表示するためのソフトウェアの開発を目標としている。開発項目の達成目標と進捗状況が明確にされており、中間評価までの開発期間中に輪郭抽出アルゴリズムとしてCntyが優れていることを客観的評価に基づき判定し、開発の重点をシフトしたことは評価できる。Rinzoはトモグラフィー電子顕微鏡以外にも活用可能な技術であり、その出来が利用しやすさを大きく左右する。このためにもRinzoのプロトタイプを早く公開し、広く利用者の意見を取り入れながら、着実に推進すべきである[A]。


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