チームリーダー : | 松浦 正明【(財)癌研究会 ゲノムセンター情報解析グループ グループリーダー】 |
中核機関 : | (財)癌研究会 |
参画機関 : | (株)島津製作所 浜松医科大学 慶應義塾大学 関西医科大学 |
- T.開発の概要
- これまでに開発してきた質量顕微鏡により得られる膨大な質量と位置のデータから、応用面で重要と判断される空間特異的な質量情報を抽出するため、顕微鏡座標情報を利用して要約した質量情報を抽出するソフトウェアとこれら要約された情報を比較分析しやすい新規解析指向型データベースの開発を行う。さらに、空間情報を基に、顕微鏡画像に対応する領域特異的な質量情報、細胞特異的な質量情報、顕微鏡画像に対応しない空間特異的質量情報のそれぞれを自動的に検出できる検出ソフトウェアを開発する。
- U.中間評価における評価項目
- (1)情報抽出ソフトウェアの開発
- 要求仕様書(11ページ)および基本仕様書(15ページ)、また領域情報設定ソフト要求仕様書(20ページ)、基本仕様書(20ページ)等を作成した。それに基づき詳細仕様書(24ページ)の作成を完了して、試作ソフトウェアを完成した。GUIの動作確認を行い、データ処理時間は目標の10倍以上の速さを達成した。
- (2)新規データベースの開発
- 基本仕様書(15ページ)、詳細仕様書(10ページ)を作成し、試作版を完成した。コモンピークファイルの展開で高速検索が可能となった。
- (3)空間的特異的情報検出ソフトウェアの開発
- 3件の特異的ピーク検出ソフトの基本(合計77ページ)および詳細仕様書(合計106ページ)作成が予定通り完了した。
- V.評 価
- 本事業の「機器開発プログラム」において開発された「顕微質量分析装置」のユーザビリティ向上を目指したソフトウェア開発が目標である。プロトタイプ機に搭載する各種のソフトウェアについて、要求仕様書、基本仕様書等のドキュメント類を整備し、情報抽出ソフト及びデータベースの試作版を完成するなど、開発がほぼ計画通り順調に進んでいると判断できる。本課題では多くの機関が開発に参画しているが、情報共有、進捗管理が適切になされている点は高く評価したい。今後は各仕様を満たすように開発を進め、実用化には重要である実データを用いた評価などを実施し、着実に開発を推進すべきである[A]。